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旅日記


2003年06月15日(日)
カトマンドゥ
晴れ
- 日本人女性が宿の風紀を乱している? -

 
 ナマステ。

 今日は9時起床。カーテンをはらって見上げると、小さな窓から青空が見えました。「よっしゃ、今日はカトマン到着後初の観光に出かけよう!」。ホテルのマネージャである"ラヴィ"の許可を貰って、宿にあった「地球の歩き方ネパール編」を部屋に持ち込み、観光スポットをチェックします。ガイドブックによると、「ここは訪れたい」というような場所は4、5個所くらいの模様です。今日、明日と2日間あれば、周ることが出来そうな感じです。そして、ツーリストインフォメーションで入手した地図に観光ポイントを書き込んでから、午前11時、宿を出ました。

 まず目指した先は、"アサン・チョーク"と呼ばれる広場でした。ガイドブックによると、「カトマンドゥで最もカトマンドゥらしいところ」だそうです。数本の道が交差する小さな広場には、歩行者、バイク、そしてリクシャーに加え、物売りのおっちゃん、おばちゃん、小さな寺院…。砂埃がもうもうと立ち上る中を、様々な人間がうごめいていました。確かにカトマンドゥらしい場所だけれども、ただの交差点じゃん。

 次に向かった先は、"インドラ・チョーク"。これまたガイドブックによると、「このあたりは、中世からあまり変わっていない感じのバザール。両側は格子窓のある木造の家々がびっしり並び、道に面した1階は、間口を連ねた小さな店の列」とのこと。うーん、カトマンドゥの一般的な風景にしか見えない。どこもこんな感じじゃん。

 "インドラ・チョーク"のあとは、ダルバール広場へと向かいました。この広場へ入るには、外国人はRs200を支払わないといけない(ネパール人は無料。インド人も無料と思われる)のですが、特にゲートらしきものも無かったので、そのままずんずん進んでいきました。しばらくすると、「ピピー」と笛を鳴らしながら、警棒のようなものを持った警官らしき人物が、走って追いかけてきました。警棒で殴られたり、鉄砲で撃たれるのも困るので、少し手を上げながら、立ち止まりました。
「+P/;@;@」
何を言っているのか全く分からないので、「自分はネパール語を話せないが、ネパール人であること」やらを英語で語ります。というのは、嘘で、「観光で来た、ジャパーニーだー」と英語で語り掛けました。
すると、「そうか、君は外国人だから、ここでRs200を払わないといけない」と彼は英語で答えました。
"彼の着ている、制服らしく見えて制服では無いような感じもする服"、"警棒らしく見えて、実はただの棒"に少し違和感を覚えた私は、少し疑いながら、提案してみました。
「ここであなたに払うのですか?チケットオフィスがあれば、そこで支払いたいのですが…」
「そうか、じゃぁ、来なさい」
連れて行かれたところは、間違いなくチケットオフィスでした。あやー、彼は真っ当な警察官だったのでした。
「申し訳ないです。少し疑ってしまいました」
「いえいえ、良いのだよ」
Rs200を支払い、パンフレットとチケットを片手にチケットオフィスを出ました。どうやら、俺はチケットオフィスの裏側の細い道から、広場に入り込んでしまっていたのでした。

 ところで、このダルバール広場は、お金を支払って入場した"かい"のあるところでした。広場内に立ち並ぶ宮殿やらヒンズー寺院群の外観、装飾はもちろん美しかったのですが、この広場のゆったりした雰囲気がなんだかとても心地よかったです。ただ、寺院や"クマリの館"と呼ばれる建物の内部では、自称ガイドが近寄ってきて、うざいったらありゃあしない。頼むから、一人でゆっくり見物させてくれよ。「ごめんねー。今一人でゆっくり見たいから、話し掛けないでちょうだい」。近寄ってくる人に断りを入れながら、見物していました。そして、広場内を一通り見物し終わった後、ちょっとしたいたずら心に火がつきました。"今日は、俺がネパール人みたくなってやろう"。寺院に入り、ガイドらしき人物にねらいを定めて近づいていきました。
「ナマステ、フレンド。このあたりに住んでいるのかい?」
英語で彼に話し掛けます。彼からの反応が返ってきたら、矢継ぎ早に、「日本の宗教について」、そして、「この地に点在する寺院と日本のお寺との外観上の違いやら、お祈り作法の違いについて」語ります。最後のきめ言葉はこれです。
「フレンド、日本の情報は、なかなかためになっただろう。ガイド料として10ルピー払うべきだ」
そして、よくあるこのパターンも数人に試してみました。またもや自称ガイドらしき人物に声をかけ、少し世間話をして、最後のきめ言葉はこれです。
「おまえと俺はフレンドだ。俺はネパール人が好きだ。なんたって親切だからだ。フレンド、お土産として、君のメモリーとして何か俺にくれ」
4人ほどの人物に声をかけた結果…、もちろん収入は0。ですが、タバコ1本となぜか1バーツ(タイ王国の通貨)を手に入れることが出来ました。
「自称ガイド諸君! ね、自分たちのやっていることがよく分かったでしょう。結構うざいものでしょう?」
1時間あまりも時間をかけてこんなことをしている俺。何してんだろう…。そうそう、いたずらといえば、昨日の晩もちょっとしたいたずらをしたのでした。ホテルマネージャの"ラヴィ"が、しゃれで、1枚の50ルピー札に"0"を2つ付けて"5,000ルピー"札にしました。それを、まじめな顔して商店や両替所に持参してみたのです。結果は…。みなから鼻で笑われただけでした…。
「おっちゃん、ファンタ頂戴。支払いは5,000ルピーで」(←宿の横にある顔なじみの店にて)
「へっ。じゃぁ、おつりは3,500ルピーだな。ちょっと待ってな」
よいしょっと。親父はボールペンを手に取ると、10ルピー札に"0"を2つつけて、1,000ルピー札にしやがったのでした。
「はい3,500ルピーね」
3枚の1,000ルピー札と、1枚の500ルピー札、"総理大臣から昨晩電話があって、明日から財務大臣になることになった"と話す親父が発行した即席の4枚が手元に入ってきたのでした。
なんじゃ、この大阪のようなノリ。インドでもそうですが、ここネパールでも、お札に何かを書き込むことは、あまりタブーではないようです。お札には計算式やら何かの文字が残っています。本当はいけないことなのかもしれませんが、すみません。しゃれでやってしまいました。もちろん、国王様の顔の上なんかには何も書いていません。許してくださいね。日本だったら、「通貨何とか法(偽造法?)」とかでつかまりそうだ。

 さて、話しは戻って、ダルバール広場の件です。「この広場は素晴らしかった」と先ほど書いたばかりですが、やっぱりその費用について不満があります。Rs200…(200ルピー)。これって、とっても高額なのです。これだけあれば、飯屋で定食を6、7回食うことができる、つまり、日本円にしてみたら、4、5,000円の世界なのです。しかも、この広場のあちこちには、「このバールダル広場は、カトマンドゥ市と日本大使館のジョイントプロジェクトによって、環境と景観が保たれています」といった英語の看板が掲げてあります。ということは、俺がお上に納税した、その金の一部もこの費用として使われているってことなのです。「少し値下げしろ! それでもって、日本人に対しては、さらに安い特別料金を適用しろ!」、そんな風にも思ってしまいました。いや、もしかしたら、Rs200が、日本人用の金額なのかもしれません。というのも、チケットカウンターでは"何人"か聞かれ、俺のチケットにもボールペンで"Japanese"と記載されています。わざわざ国籍を調べるのはなんのためなのでしょう。日本人は200ルピーで、その他の国の人はそれ以上の額を支払っているのか?、もしや、日本人は200ルピーで、その他の国の人はそれ以下の額しか支払っていないのか?(←日本人は金持ちと思われているから)。いや、チケットカウンターには「外国人:Rs200」と書いてあったような気もする…。謎は深まります。チケットの"Japanese"は、単に譲渡、転売禁止用の記載なのか。なぜなら、このチケットで複数回入場できるからさ。謎だ…。いずれにしても、200ルピーは強気の設定です。

 長くなってきたので、少し短めに。ダルバール広場を出てからは、"スワヤンブナート"というカトマンドゥ中心部から西に2、3Kmのところにある丘に行ってきました。この丘は、その頂上に美しいストゥーパ(仏塔?のこと。日本ではストゥーパがなまって、卒塔婆"そとば"と呼ばれるらしい)が建っていて、チベット仏教の聖地としての役割を果たしています。「この丘は数万年から聖地としての歴史を持つ」といった伝説があるらしいのですが、史実と照らしあわせてみても、千年以上の歴史を持つ聖地であることは確かなようです。ストゥーパの周囲を周回しながら仏様に手を合わせ、またゴンパと呼ばれる僧院内に入り(日本人は仏教徒と見なされるので、ヒンズー寺院やイスラム寺院と違い、遠慮せずにずかずかと入っていける)、お参りしてきました。また、この丘はカトマンドゥ市街が一望できて、やはりここもお勧めの場所です。このページを目にしてくれている人で、カトマンに行く予定のある方は、ぜひ訪れてみてください。ところで、ここでも入場料として外国人は一律Rs50支払わないといけません。「日本人=仏教徒(と見なされる)が仏教の聖地に来ているだけなんだから、タダにしてくれよう」と思ってしまうのは、私だけではないはずです。

 スワヤンブナートから戻った後は、ちょっとした買い物に出かけました。買い物のあと、前出の"ラヴィ"に誘われて、彼の運転するバイクの後ろに乗り、飯を食いに行きました。ここで、やっと今日のタイトルにあるような話になるのですが、飯を食いながら、ラヴィといろいろ話をしていました。そして話題が日本人女性のことに移ったあと、彼が俺に尋ねて来ました。
「俺は日本人の女の子にあまり良い印象をもっていないんだ。なぜって、彼氏を作りに来ているような人がとても多いよ」
「うん、確かに街を歩いていると、ネパール男性と一緒にいる日本人女性がたくさんいるねぇ」
「なぜ、ネパールに来ている日本人の女の子達は、こういった子ばかりなんだい?」
「俺にも良くわからないけれど…。日本では、あからさまに男性が女性を誉めるってことがあまり無いのだけれども、女性がここに来て、多くの男性からチヤホヤされて、嬉しくなって…てのは、聞いたことがあるよ」
「ネパール人の男性は、彼女たちの体が目当てか、日本行きのビザが欲しいかのどちらかの場合が多いと思うよ。知り合いに日本人がいると、観光ビザや留学ビザの取得はずいぶん簡単になるから…。実際、みなそういったビザで働くんだけれども…」
「そうなんだぁ」
「うちのホテルでは、宿泊客以外の人が夜間に訪れてくることを禁止しているのだけれども、このルールを破る日本人の女の子がとても多いんだよ」
「なんで?」
「街で知り合ったネパール人の男性をうちの宿につれて来るんだよ。こっそりと宿泊させている場合が多いんだよ」
「へーそうなの」
「日本人の女の子だけだよ。こんなことするの」
「ふーん」
「一時、こういうことが続いて、ネパール人男性の友達まで宿に出入りするようになって、本当に困ってしまったよ」
「そうなんだぁ。あほな奴がいるねぇ」
「他の宿でも、日本人の女の子が同じようなことをしているって聞くよ」
「うーん…」
日本人の女の子が海外に来て、彼氏を作って。まぁ、それはそれで、特に問題も無いですし、俺も何もいいたいことは無いです。むしろ、国境を越えた恋愛…、なんだか少し羨ましささえ感じます。ただ、二人が純粋な恋愛感情でつながっている場合もあるだろうし、はたまた、「日本のビザを取りたい」、「女性の体が目当て」という男性のたくらみや、「かっこいいネパール人男性が好き」、「男性の体が目当て」といった女性のたくらみのみでつながっている場合もあるでしょう。また、ネパール人男性にしてみれば、「いろいろ買ってもらえたり」、もしくは「お金を貰っていたり」といった金銭を通じてつながっている場合もあるでしょう。双方が納得していれば、それはそれでありだと思います。俺には何もいえません。ただし、宿や周囲の人々に迷惑をっけるのはやめてください。彼氏が出来たのなら、せめて別のホテルに移動して、2人分はらって宿泊しようぜ。俺もこんなこと質問されると、情けないです。「日本人女性はなんで尻軽なの?」みたいなことを質問されるのは、俺個人のことじゃないにせよ、同じ日本人として本当に情けない。ルールとマナーを守って、恋愛してください。「周囲に迷惑かけるな!」、今日の結論です。

 おやすみ。
 

- 本日の出費 -

レート : Rs1(ネパールルピー)=\1.5

- 移動費 -

From : To : 手段 : 値段 : 所要時間 :
タメル地区の宿 アサン・チョーク 徒歩 - 20分
アサン・チョーク インドラ・チョーク 徒歩 - 10分
インドラ・チョーク ダルバール広場 徒歩 - 5分
ダルバール広場 スワヤンブナート 徒歩 - 30分
スワヤンブナート タメル地区の宿 徒歩 - 40分
 

- 飲食費 -

チャイ * 1 (朝食) - ミルクティー Rs6
チョーメン * 1 (昼食) - 焼きそば。箸が出てきてびっくりした。ネパールで箸みたの初めて。 Rs20
モモ * 1 (昼食) - 蒸し餃子 Rs10
コーラ * 1 (おやつ) Rs12
ダルバート * 1 (夕食) - ネパール料理の定食。インドのターリーのようなもの Rs41
チャイ * 1 (おやつ) Rs6
ミリンダ * 1 (おやつ) - ファンタと同じ Rs15
チャイ * 1 (おやつ) Rs6
 

- 雑費 -

SURYA LIGHTS * 1 (たばこ) 20本入り Rs50
腕時計につける方位磁石代 - 壊れたので購入 Rs90
ネパール国旗のステッカー代 - 絵葉書に添付、パソコンに添付 Rs10
宿代 Rs150
ダルバール広場入場料 Rs200
スワヤンブナート入場料 Rs50
ジーンズ洗濯代 Rs20
トイレ代 Rs1

更新地 : Kathmandu ( NEPAL )

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