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旅日記


2003年01月16日(木)
マドリッド
晴れ
- マドリッドの町を歩いて感じたこと -


 おはよう。本日は朝9時に起床。昨日の残り物のパンを朝ご飯にしながら、昨晩読みかけのまま寝てしまった、ホテルにあった日本語小説に熱中しました。お昼頃小説を読み終え、シャワーを浴びた後、今日の活動を開始しました。

 ホテルを出て、まず目指した先は、タイ国際航空のオフィスでした。ホテル近くのSol駅から地下鉄に乗って向かいました。ここで、マドリッドの地下鉄について少し書いておきましょう。マドリッドの地下鉄は全11路線で構成されています。なかなか大規模な地下鉄網といえるでしょう。駅の数は100くらいはあるでしょうか(数えていないので適当)。空港、主な観光地、ビジネス街、住宅地、サッカースタジアム…、およそ住民、観光客が訪れそうなところをきめ細かく結んであって、大変便利に感じました。運行時間は朝6時から午前1時30まで(多分)。料金は、距離に関係なく、何度乗り換えても、1回の乗車(改札を通って、抜けるまで)につき1.10ユーロです。ただ、10回地下鉄&市バスに乗れる乗車券が5.20ユーロという値段で販売されていますので、私はそれを購入し、利用しています。しかし、このチケット、これってすごい割引率です。1回券が1.10ユーロという値段から考えると、10回券は9ユーロ(1割引)くらいというのが、私の中での常識です。日本を含め、これまで滞在した国々のシステムはこういったものでした。でも、ここマドリッドでは、10回券が5回乗車分の値段で買えてしまいます。1回券が高すぎるのか、はたまた10回券が安すぎるのか…。なんか変なの。地下鉄の乗り方は、自動改札に切符を入れて改札を通過し、改札から出る際は出口専用ゲートを通り過ぎるというシンプルなもの。初めてでも困惑することなく乗り降りできるでしょう。

 タイ国際航空オフィスがあると思われるPrincipe de Vargara駅には、1回の乗り換え時間を含め20分ほどで到着しました。オフィスの住所はあらかじめ知っていました(Principe de Vargara 185)が、はっきりとした所在地は把握していませんでした。とりあえず、昨日ツーリストオフィスで聞いてみたところ、「オフィスの住所と同名のPrincipe de Vargaraという駅に行ってみれば、オフィスはその近くでしょう」という言葉を信じて、Principe de Vargara駅を目指したのでした。地下鉄駅から地上に出てみると、そこは大きな交差点でした。どっち方向に進んでいいのやらも分からなかったため、とりあえず、道行く人に185番地の場所を尋ねてみました。すると、私が立ち止まっている場所がPrincipe de Vargaraという通りの始まり地点であること、そして185番地までは2Kmくらい歩かないといけないということが判明しました。「地下鉄で行ったほうがいいよ」という通行人のアドバイスも、「こんなことで10回券のうちの1回分を無駄にすることもないなぁ」といった節約根性から、1番地、3番地と数えながら、185番地を目指し、歩き始めたのでした。ちなみに、ここマドリッドの番地も、西洋によくある「通りの片側が奇数、反対側が偶数、通りが町の中心地から郊外に向け進むごとに(建物1つ進むごとに)番号が1ずつ増えていく」といったシンプルなものでした。なので、目指す通りを見つけたら、それをまっすぐ進むだけで、目指す場所に到達することができるのです。

 オフィスを目指す道は、散策にはちょうど良い感じのところでした。そこは観光地でもなく、またビジネス街でもなく、住宅やマンション、少しおしゃれなレストランが大きな通り沿いに並ぶといった場所でした。東京でいえば、世田谷あたりの環7沿いのような感じでしょうか。ここでの散策では、感心させられることがたくさんありました。道路のデザイン(ここで意味するデザインとは、見た目の美しさや機能美といったものさ)、ガードレールのデザイン、並木の配置、マンションのデザイン、ごみ箱のデザイン…。日本の無骨なガードレールや路上の灰皿が思い出され、少し悔しい思いです。スペイン訪問前は、この国に対し、少し失礼なイメージを持っていました。「この国は世界でも先進地と目されるヨーロッパの一国であるが、イギリス、フランス、ドイツなんかよりも様々な面で1段階遅れていて、これというのは人々の生活だけでなく、都市機能なんかにも現れているんだろうなぁ」なんてイメージを持っていました。ところがどっこい、街並みも調和が取れていて美しいですし、伝統を大切にしながら、古くからの街並みや歴史的な建築物に新たな機能を、調和を図りながら加えていこうといった姿勢が多くの場所で見て取れます。また、地下鉄やら道路も機能的に整備されていて、感心してしまいました。人々の生活も豊かで、カフェでお茶するおじいちゃん、おばあちゃんなんかも、とてもおしゃれが上手で、そして楽しげで、なかなか楽しんで生活しているなぁといった感じを受けたのでした。まぁ、ここはスペイン一の大都市であって、地方都市では、少なからず状況も異なるのでしょうが。この旅行開始前には、様々な理由から(長くなるので、解説しません)あまりヨーロッパに興味も感じていなかった私ですが、こうやって実際に訪ねてみると、私にとって、そして日本人にとって、ヨーロッパにはまだまだ学ぶべき点がたくさんあると感じることができました。なんというか、表現が難しいのですが、私の中には「日本は様々な面でヨーロッパを追い越した」みたいな感情が少なからずあったように感じます。様々な面とは、国としての経済的な発展具合であったり、平均的な国民の物質的な豊かさであったり、そういう部分だったろうと思います。もしかしたら、これは私個人のみの感情では無くて、一般的な日本人が持っていた感情だったのかもしれません。歴史的に見ても、いっときは執拗なほどにヨーロッパに目を向けていた日本が、いつしかアメリカばかりを見るようになり、現在はアメリカ、アジア諸国にばかり目が行っているような状況かと思われます。伝統や古来の生活、デザインを一掃して、機能、効率、合理性一辺倒に国づくりを進めた日本ですが、ここスペインで目にしたものは少しそれとは違いました。まだまだヨーロッパには学ぶべきものがたくさんあるぞ。ヨーロッパもしっかり見てみたほうがいいな。自分にも言い聞かせるべく、そんなことを思ったのでした。

 結局、しばらく歩いてタイ国際航空のオフィスを発見しました。そこでは、20日のローマ行き(サッカーのチケットが取れれば、19日は試合だからさ)を予約してきました。帰りにスーパーによって、いつものとおり、酒とパンとハム、ツナ缶を買ってきました。

 長くなったので、そろそろやめます。明日は、サッカーチケットを購入しに、レアルマドリッドの本拠地であるEstadio Santiago Bernabeuというスタジアムまで行ってこようかと思います。サッカーファンにしてみたら、このスタジアムを見れるだけで、もしかしたら幸せなことなのかもね。スペインリーグとか詳しくないんで、私にはよく分かりませんが。長い列に並ぶことになるのかなぁ、クラブ非会員にはどれくらいのチケットが供給されるのかなぁ、買い方が全くわからないなぁ、なんか分からないことだらけですが、何とかなるでしょう。スペイン語は「買いたい」と「いくら?」くらいしか知らないのに、よく行くわ、俺。これ本音。無事にチケットを入手できたらいいなぁ。

 いろんなものを見て、感心して、勉強して、多分、明日はチケットを入手できなくてがっかりして…(マドリッド対マドリッドだもの。ダービーってやつだもの。多分、人気でチケットは入手できないんだろうなぁ。そんな気がする)、なんか、良い経験しているなぁ。ビール片手に今日の日記を書いていて、そんなことを感じました。


- 本日の出費 -

レート : E1(ユーロ)=\125

- 移動費 -

From: To:
Sol Principe de Vargara 地下鉄 E5.20 全10回乗れる
Cruz del Rayo Sol 地下鉄 - あと8回!
 

- 飲食費 -

パン * 1 (朝食) - (昨日の残り物)
ビール 1L * 1 (夕食) E0.71
ツナ缶 * 2 (夕食) E0.96
チョリソー * 1 (夕食) E1.87
パン10個入り * 1 (夕食) E1.02
オレンジ * 2 (夕食) - (貰い物)
 

- 雑費 -

マルボロ・ライト (たばこ) - (モロッコで買いだめした)
宿代 E15.0

更新地 : MADRID ( SPAIN )

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