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旅日記


2003年03月15日(土)
イスタンブール
曇り
- 駄目旅行者考える -


 イスタンブールの「Tree of Life」に漂着して2週間が経過した。観光に精を出すわけでもなく、無為に時間を送るだけの毎日。他の旅行者と差し障りの無い会話を繰り返し、ぼんやりと空想にふけるだけの毎日。ここには、私を含め駄目旅行者が多い。インドやタイと似たような、なにか独特の雰囲気がここにはあるようだ。

 何もせずに時間を過ごすことに苦痛は感じない、そんな体になってしまった。しかし、時々不安を覚えることがある。終日、宿から一歩も出ないで一日を過ごす。今日もそんな日だった。腹が減れば、紅茶を飲み、ひまわりの種を頬張り、夕食はお決まりの買いだめしてあるビールを腹に入れる。
「また、今日も同じ。毎日こんな調子で良いのだろうか。日本に帰ってから、真っ当な社会人としてやっていけるんだろうか?」
そんなことを考える。

 昨年10月頃だったか、中米を周っている頃は、連日移動といったようなハードな毎日を過ごしていたし、一生懸命に観光もしていた。1日に何人もの現地人と話し、そして話を聞いた。最近は、何もしないということが、ある種習慣のようになってしまい、そんな自分を省みると不安な気分に陥る。

 駄目旅行者の状態を抜け出すにはきっかけが必要だと思う。嫌な奴が長期滞在者としてこの宿にやってくる、かわいい同行者が見つかる、気の合う同行者が見つかる、そんなきっかけが欲しい。ただし、自分1人ではこの駄目状態から抜け出せそうにも無い。1人で旅立ってく心構えというか、自信が無い。こんな駄目生活を終えることが、そして体のなじんだ土地を離れることが、さらに宿にいる他の駄目旅行者達との別れが、本当に寂しくて、1人でここを旅立っていく自信が無い。

 駄目旅行者の多くは、とても寂しがりだ。自分だけが駄目旅行者として1人残されてしまうことが、本当に寂しく、怖い。なので、ある駄目旅行者が
「明日、出ようかな」
なんて話をした際には、束になって必死の引止め工作に乗り出す。
「明日の出発はやめておいたほうがいい」
「バスは、今の時期無い」
「外は寒い」
モロッコ人やインド人客引きの常套文句がここに出て来る。しかし、この説得にも応じずに、また今日も駄目旅行者がバックパッカーとして旅立っていった。

 俺もいつかここから出て行かなければいけない。またこれから1人でこの旅行を続けていかなければならない。そんなことができるのだろうか。
 

- 本日の出費 -

レート : 1TL(トルコ・リラ)=\0.00007
1,600,000TL=1US$

- 移動費 -

From: To:
 

- 飲食費 -

りんご * 1 (朝&昼食) - 貰い物のため無料 -
ビール 500ml * 2 (夕食) 1,900,000TL
 

- 雑費 -

Marlboro LIGHTS (たばこ) 1,500,000TL
宿代 5US$

更新地 : ISTANBUL ( TURKEY )

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