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旅日記


2003年04月02日(水)
アンカラ

- アンカラのHOTEL SAYILGANにて奇妙なハプニング続発 -


 メルハバ!

 ふう、現在、夜の1時10分。やっと1人になれました。

 今朝、ギョレメの宿を出たのが、13時くらいでした。徒歩5分でオトガル(バスターミナル)に到着。15時発のアンカラ行きバスの予約を入れ、その後オトガル近くのインターネットカフェでHPの更新やらメールチェックに精を出しました。

 「もう30分寝かせて!お願い!」
宿のオーナー、ハリスにたたき起こされたのが午前10時でした。
「おまえは今日チェックアウトするって言っていただろう。今、チェックアウトタイムの10時だ。起きろ」
「待って、もう少し…」
30分後、
「30分経ったぞ。今日チェックアウトしないのか?」
「もうちょっと待って。今日チェックアウトするよ。だからもう少し…」
その後は10分おきに目が覚め、「今日は出発を取りやめようかな」、そんなことを考えます。そしてまた寝てしまいます。10分間に様々な夢を見ながら、「もう10分、もう10分を繰り返すこと数回、チェックアウト時間に遅れること2時間、12時になって、やっと起きました。ハリスも笑顔で(嘘です。少し怒られました)、遅いチェックアウトを許してくれました。長居させてくれてありがとう。

 14時、ギョレメのオトガルにてバス会社のセルヴィス(バス会社が行なう無料タクシーサービス。10人乗りくらいのミニバスやハイエース等で、個々のお客を希望地まで届ける)に乗り込み、ネヴシェヒルのオトガルへと向かいました。14時半、ネヴシェヒル・オトガルに到着。45人乗りの大型バスは、10人ほどの客を乗せて、15時にネヴシェヒルのオトガルを出ました。バスの中では、いつもの通り、コーヒー飲んだり、コロンヤ(レモンコロン)振りかけてもらったり、お菓子食べたり。そして、途中で渋滞にはまりながら、アンカラのオトガルに到着したのは予定時間を1時間過ぎた20時頃でした。アンカラ・オトガルから安ホテル街のウルス地区までは、またもセルヴィスを利用。何せ無料だもの、利用しない手はありませんよね。セルヴィス内で「ウルス」を連呼していたこともあり、ウルスに到着するや否や、数人の乗客が「Japon!ここだ、ここで降りろ」と優しく教えてくれました。

 ウルス地区のドルムシュ発着所に降り立ち、ここからイスタンブールで人づてに聞いた、アンカラでのお勧め宿へと向かいました。初めての地なので、当然のごとく地理が全く分からず。周囲のおっちゃん達に聞きまくりです。「おっちゃん、〜ネレデ?(おっちゃん、〜はどこ?)」連発。
「〜はあっちだ。おまえはジャポンか?」
「ジャポンだ」
「トヨター、ホンダー、サムライー」
「ハマムー(トルコの公衆浴場のこと)、キョフテー(トルコの食い物のこと)、イルハンー(トルコの人気サッカー選手のこと)」
おっちゃん達が陽気で、くだらないやり取りも思いのほか楽しいんです。10分後、無事に「HOTEL SAYILGAN」に到着しました。早速フロントのおっちゃんに英語で話し掛けます。が、英語が全く通じず…。5割が身振りと筆談、4割が日本語、1割がトルコ語で商談開始です。
「おっちゃん、寝たい(寝るはもちろん身振りで)。1はネ、カダル?(シングルはいくら?のつもり)」
やばい、通じません。1が通じていない模様。「ひとり」、「one person」と繰り返しますが通じません。しょうがない、地球の歩き方を取り出し、「シングルルーム」とトルコ語で言ってみました。
「シングルルームは12ミリオンだけれども、今夜はいっぱいだ」
そんなことが、2、3分かけてやっと理解できました。
「ツインは本当は24ミリオンだが、1人なので20ミリオンにしてやろう。それでどうだ?」
確かに、24ミリオンはプライスリスト通りの値段です。ディスカウントで20ミリオンだとしても、1人旅行者には高すぎます。いくらツインでも、俺はベッドを1つしか使わないし。シングルの部屋が無いのはおまえのホテルの都合だ。ベッド1個だからシングルと同じ値段にすべきだ。めちゃめちゃですが、その時はそんな風に思いました。
「12ミリオンにしてくれ。俺はもうひとつのベッドは全く必要ない。ベッド1個しか使わない。だから12ミリオンが筋ってもんだろう」
俺の言い分は全く筋違いなんですが、2泊するってことで、1泊12ミリオンにしてくれました。しかし、お金を払う段になって、2泊分の24ミリオンきっかりが無かったのです。手元にあったのは、10ミリオン札が3枚と1ミリオン札2枚でした。
「おっちゃん、10ミリオンは今晩の夕食用だ。だから、22ミリオンしか払うことは出来ないのだ。タマムか?(OKか?)」
「タマムじゃない」
「いや、タマムにしてくれ」
「だめだ」
「俺はアンカラ名物を食いたいのだ。Japonにアンカラの美味いものを食って欲しいだろう。タマムか?」
「タマムだ」
今思うと、めちゃめちゃです。金はあるのに、10ミリオンを今日の夕食用と言い張って、残りしか払わない。なんて自分勝手な俺。ところで、実はこのホテル、日本人はおろか、観光客が1人もいないようのです。客のほとんどがトルコ商人です。フロント横のロビーには、15人くらいのトルコ人のおっちゃんがタバコを吸いながら、だらっとしていました。が、おかしなジャポンが値切り交渉に30分もの時間を費やしている、そんな様子にトルコ商人の血が騒いだのでしょう。フロントにいた俺の後ろでは、いつのまにか、そのやり取りを聞く親父軍団が取り巻きを作っていました。俺の商談が終わった後、皆が興味津々に聞いてきました。
「おまえはジャポンか?」
「そうだ」
「名前はなんだ?」
「ひろしだ」
「タバコ吸うか?」
「ありがとう」
親父達自己紹介しすぎ。10人が俺に自己紹介しやがった。もう、わけが分かりません。アフメット、ムスタファ、ハッサン…。もう誰が誰なのかさっぱりです。皆ひげが生えているので、俺にとっては、顔を見分けるだけでも大変な苦労なのに…。
「ディナー、ディナー、ロカンタ!(食堂!)、ディナーに行きます!」

 腹がへっていた俺は、部屋に荷物を置き、逃げるようにホテルを後にしました。そしてホテル近くのロカンタで、イシュケンベというスープを1杯と、パンを2個食べ(日本のパンを思い出しちゃ駄目です。長さ30Cm、太さ10Cmくらいです)、ホテルへの道すがらビールを買い込み、膨らんだ腹を抱えながら、ホテルへと戻りました。すると、おっちゃん達が首を長くして、俺の帰りを待ち構えていました。
「おージャポン、飯食ったか?」
「イシュケンベ、チョク、ギュゼール!(「イシュケンベ(スープの一種)が最高だった」と言っているつもり)」
親父達、ジャポンにトルコ料理を誉めてもらって、嬉しさ絶好調です。
「ジャポンは腹がいっぱいだから、部屋で横になるよ。ごめん」

 22時頃部屋に戻り、早速ビールのふたを空け、だらっとします。うん、なかなか良いね、この宿。親父達陽気で。この時はまだ、この後に起こるハプニングの数々を知る由もありませんでした。
「トントン」
22時半、誰かが俺の部屋のドアをノックしました。
「Yes〜、What?」
ドアを開けると、ホテルのオーナーが立っていました。
「おまえか、ジャポンは。ちょっと入って良いか?」
「タマム(OK)」
「おまえは日本から…!!」
オーナーの目が、テーブルの上を見て、点になりました。
「おまえはビールを飲んでいるのか!アッラー」
「え、ビール飲んでるよ」
「だめだ。ビールなんて良くない!とにかくだめだ」
オーナーは厳格なイスラム教徒のようで、頑なにビールを否定されました(厳格なイスラム教徒にとっては、豚肉、アルコール等は厳禁なのだ)。
「Japonはブッディストだから、ビラ(ビール)はタマムだ」
「アッラー!!」
オーナーはビールに恐れをなして、俺の部屋から出て行きました。俺の方が「あっらー」だよ。ホテルでビール飲んでだめなんかーい!。オーナーに嫌われてしまったかな。そんなことを思いながら、まただらっとしていると…。
「トントン」
「誰ー?」
ドアを開けると、ハッサンがいました。
「ジャポン、入っていいか?」
「だめだよ。ビール飲んでいるから」
「タマムだ。No problemだ」
ハッサンと20分ほど会話しました。身振りと日本語とトルコ語で。そしてハッサンが自分の部屋へと戻った後…。
「トントン」
今度はムスタファがやってきました。
そしてムスタファが帰ると、「トントン」、また誰かが(名前忘れた)やってきました。
誰かが帰ると、「トントン」、アフメットがやってきました。
うぅ、もう勘弁してくれ。1人にしてくれ。放って置いてくれ。
自分としては、かなり思い切って言ってみた「Leave me alone」(感じ悪いでしょう。この言葉)も全く通じていません。
そして、夜の1時10分。やっと1人になれたのでした。でもね、その後にまた困ったことが起きたのです。ビールを飲みながら日記を書いていた深夜2時頃、隣のベッドがびしょびしょに…。原因は雨漏りでした。俺がそのことをフロントに伝えに言った後、もう、大騒ぎでした。オーナーが来て、笑いながら「まだ飲んでいるのか!」なんて怒られて、いろんな人が俺の部屋に来て、バケツやらたらいやらを置いていきました。なんじゃーこの宿。2泊するなんて言うんじゃなかった。でも何か好き。こんなのも。

 現在朝の4時。疲れたので寝ます。おやすみ。
 

- 本日の出費 -

レート : 1TL(トルコ・リラ)=\0.00007
1,700,000TL=1US$

- 移動費 -

From: To:
ギョレメ・オトガル ネヴシェヒル・オトガル GOREME社セルヴィス -
ネヴシェヒル・オトガル アンカラ・オトガル GOREME社バス 10US$
アンカラ・オトガル ウルス GOREME社セルヴィス -
 

- 飲食費 -

トマト * 1 (朝食) - 昨日の残り物 -
ビール * 1 (朝食) - 昨日の残り物 -
イシュケンベとパン (夕食) 2,100,000TL
ビール * 4 (夜食?) 3,600,000TL
 

- 雑費 -

L&M LIGHTS (たばこ) 1,500,000TL
宿代 11,000,000TL

更新地 : ANKARA ( TURKEY )

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