旅日記


2001年7月27日
浦安
晴れ

-カナダ出発-

本日は写真なし

 
 久方ぶりの旅日記再開です。

 旅の再開には、出発を躊躇しがちな部分もたくさんありました。詳しくは書きませんが、いろいろと思うことがありました。実家のこと、老いていく両親のこと、大切な友人のこと、大好きな女の娘の事。結局、1月近く実家に滞在してしまいました。

 この前のタイ滞在は、たったの1ヶ月でした。しかし、カナダを皮切りとする今回の旅行は、数年に及ぶものとなりそうです。途中、一時帰国するかどうかも、現時点では分かりません。今年の8月で28歳。年齢を考えると、我ながら思い切った行動に出たものです。

 さて、今日は出発の日です。学生時代の友人である鈴木繁之・佳子夫妻に見送られ、彼ら住居の最寄駅である浦安駅を、午後2時くらいに後にしました。別れの際には、少し涙が出ました。振り向くことなく改札を過ぎたため、見られてはいなかったでしょう。「もう、会うことないかもしれないよ!」とか言うな!佳子ちゃん。俺は死ぬんかい!

 お二人とも、幸せにね。結婚式の司会、俺が務めたね。そんなこともあるんで、絶対に別かれないように。喧嘩したら、相談してださい。まぁ、大丈夫だと思うけど。

 午後5時過ぎ、京成の特急にて空港第2ビルに到着。到着後は、チェックイン、荷物検査とすんなり進みました。今回の搭乗機は、エアカナダ002便、エアバスA340?です。日本は夏休み、カナダは夏真っ盛りということで、チケットの価格は片道で11万円くらいしました。

 午後6時半、搭乗開始です。さて、隣がどんな人になるのか。これによって、旅程が大きく変わることもあります。そんなこともあり、待合室では、常に周りの乗客をチェックします。まず多いのがカナダ人。あたりまえですよね。カナダ行きですからね。次いで、ツアー客の日本人。あとは、乗り継ぎすると思われるタイ人かマレーシア人。そして、家族連れ、カップル、1人旅行者たち。この中で誰が隣になるのか。英語がかなり下手なので、できれば外国人は避けたいところです。話し掛けられるのは問題ない、というか、暇つぶしに最適なので、歓迎なのですが、私の変な英語に、相手が付いてきてくれるか心配です。あと、変な英語を周りの方々に聞かれるのも恥ずかしいですし…。願わくは、日本人の独身女性。しかも気さくで綺麗な方なら、最高です。「語学留学のため、数ヶ月ほど、トロントに滞在します」なんて方なら、大ラッキーです。長期滞在ってことで、いろいろなことを期待してしまいます。ムフフ…。

 飛行機に乗り込むと、座席は2人-通路-4人-通路-2人といった並びでした。こんな感じです。
■■ ■■■■ ■■

 私の席は、ここ(俺)でした。トイレに行くにも楽そうです。ただ、左隣の席の人とは通路をはさんでいるため、話すわけにもいかないと思われます。なので、狙いは右隣一本です。
■■ 俺■■■ ■■

 しばらくすると、20代前半と思われる、可愛らしい女性が近づいてきました。Hey彼女、頼む。頼むから、俺の右横であってくれ…!

 願いはあっさり砕けました。彼女は、窓際席(美)に座ってしまいました。
美■ 俺■■■ ■■

 いや、まだ俺の右は開いている…。大丈夫だ。おぉ、神よ。さらに、仮に右隣の人が期待はずれであっても、もし私の左隣の席(空)が空席のままだったら…。直行便なので、誰かが乗ってくることもない。シート、あるいはラジオかなにかに難癖をつけて、強引に移動することもできるかもしれないぜ。
美空 俺■■■ ■■

 数分後、私の望みは完全に砕けました。Oh! My God! 私の右隣には、子供づれの3人、通路をはさんだ左隣には、20代中ごろの男性が座ってしまいました。
美男 俺子父母 ■■

 ちなみに、”Oh! My God!”という言葉を書いてみたのは、これが生まれて初めてです。なんか照れませんか?、この言葉って。生Oh! My God!を聞いたときは感動しましたが、私は、言ったことがありません。あ、そうそう、英語で聞き手の人が”アーハン”とか言うじゃないですか。あれも同じです。そうそう、「くそ!」や「おかすぞ!」なんてのも照れてしまいます。私に対して言われたら、怒るどころか笑ってしまいそうです。なんか照れてしまいます。

 さて、席の件ですが、しょうがないです。席が定まった以上は、この席でフライトを楽しみましょう。離陸から2時間くらいは、MDを聞きながら、寂しさに浸りました。平井堅の「Gaining Through Losing」やミスチルの「星になれたら」なんて聞いていたら、詩に特に来るものがありました。その後は、右隣の子供の遊び相手になったりして、楽しく過ごせました。

 しかしながら、ご飯タイムが始まると、私の穏やかな心も一変してしまいました。左隣の男がむかついてむかついて…。
美男 俺■■ ■■

 この一件は、フライトアテンダントの「飯は、”ビーフ”と”かやくごはん”がありますが、どちらにしますか?」という問いかけから始まりました。この言葉に反応できなかった窓際の可愛らしい彼女(美)は、隣の彼(男)に助けを求めました。

 彼は得意げに彼女に説明し、自称、得意な英語(確かに、俺よりはかなり上手)でアテンダントに”ビーフ”をお願いしました。ここからが、うるさい、うるさい。彼女の「英語、お上手なんですね」という言葉から、数々の自慢話が、周りの乗客にも聞こえるほどの大声で繰り広げられました。彼の名言と私の心の中の突っ込みのうち、いくつかをここに。

男「英語なんて、簡単だよ。すぐ話せるようになるよ」
俺「そんな、ペラペラじゃねーじゃねえかよ!周りの人も聞いているのに、恥ずかしくねーのかよ!」

男「今日の宿? うん、向こう行ってから決めるよ。こういうのって、慣れてないとなかなかできないよね」
俺「あほか、そんな人いっぱいいるっちゅうに! 性格の問題もあるけど、なれてなくてもできるわい!」

男「ソウルは長くいたけどよかったよ」
美「韓国語も話せるんですか?」
男「少しね」
美「こんにちはとかって?」
男「アニョなんとかだったかなぁ」
俺「長くいて、わからないんかい!」

男「東南アジアは、汚いだけだよ」
俺「そう思うのは自由だけど、タイ人ORマレーシア人なんかも乗ってるんだよ!日本語知っている人もいるかもよ。大声でそんなん言うなよ!」(俺は大好きです。へへ。)

男「海外行って、日本人ツアー客と合うのが一番いやなんだよ。あいつらははずかしいよ!」
俺「いいじゃねえか。ツアーだって。安く観光名所回れるし。片言の英語だって話せない老人だっているんだよ! ツアーじゃなきゃ、行けねーじゃねーかよ!ツアー客の人も乗っているのに、そんなこと、でかい声で言うな!」

 もう、むかつきだすときりがありません。こんな自慢話が、フライト開始後7〜8時間も続きました。むかつく話は、まだまだたーくさんあります。特に、彼の学生時代の話や、この前までやっていた仕事の自慢話。寝ている人もいるし、俺も寝たい。でも、奴がうるさくて、眠れません。また、話の内容がむかつき、気になるから、余計に奴の話し声が耳に入ります。日本時間にすると、もう午前2時です。「野郎、いいかげんにしやがれよ」ちょっと、切れそうにもなりました。しかし、ここで切れても大人気ないです。彼の前席に座るカナダ人と思しき人物が切れてくれるか、彼の後席にいる日本人カップルが切れてくれることを願いました。
しばらくすると、彼女の方が先に寝だしました。奴もやっと静かになりました。

 確かに、「かわいい女性の隣にすわりやがって」ってな妬みもすこしあったかもしれません。でも、そんなことが無くても、あんな話を聞いていれば、間違いなく、むかついていたことでしょう。

 そんなこんなで日本を出て13時間後、トロントに到着しました。空港内のイミグレーションで、ワーキングホリデービザの期間について一悶着ありましたが、希望通り、6ヶ月間の労働許可が下りました。イミグレを出た後、荷物をとり、空港出口に向かいました。出口近くで、むかつく彼を見つけました。電話を片手に、「I don't understand」を連呼していました。飛行機から一緒に出て行った彼女も、もう横にはいませんでした。「ざまーみろ。このやろう」。私のほうは、電話の使い方さえ知らないので、とりあえず予約もしないで、市内に向かうことにします。バスチケット販売所の受付ねえちゃんに、ユースホステルの場所と安ホテルを聞いて、バスに乗り込みました。結局、市内に到着後、2時間くらいうろうろして、「Neill-Wycik College Hotel」という大学の学生寮(レジデンス)にとまることにしました。シングルで一晩約30ドル。高いのか、安いのかわかりません。YHのドミトリーが15〜20ドルくらいでしたので、こんなもんでしょう。

 とりあえず、1週間くらいは、ゆっくりします。

 あっ、そうです。なぜカナダ、しかもトロントかって?理由はいくつかあります。
 こんな算段です。
 1.いろんな国を旅行したい。でも、金と英語力が十分でない。金をセーブしながら、英語力をつけられないか
 2.働きながら、英語学校にも行けるワーキングホリデーという制度があった。英語圏では、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドあたりがあるらしい
 3.カナダから旅行を開始すれば、アメリカ大陸北から南までの制覇が簡単そう。アメリカ英語が勉強できそうだから、それも魅力的かな
 → カナダにしよう。出発地をトロントにしたのは、特に意味無しです。なんとなくというところです。冬は寒そうなので、バンクーバーに移動する予定です。ワーキングホリデーの詳細は、ワーホリネットに詳しく書いてあります。興味のあるかたはどうぞ。

更新地:トロント(カナダ)

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