旅日記


2001年9月26日(水)
トロント


-兄貴からのメールを読み返してみて-
今日は写真なし。

 トロントは、ここ数日でめっきり寒くなってきました。今日は、最低気温が7度と、「秋も中盤に差し掛かったかな?」という感じです。

 さて、学校から帰ってきてメールチェックの後、受信箱の中にある、兄からのメールを読み返してみました。このメールは、数日前に着信したものですが、受信時忙しかったため、熟読していなかったというわけです。

 私には、兄弟(姉妹?)が2人います。日本語だと、兄弟と姉妹を一緒に言うとき、どういうふうに言うんだろう?、英語だと、”I have 2 siblings.”なんて感じかな。まぁ、それはおいといて。兄は、確か36歳?、現在小学校の教師をしています。姉は現在34歳?、こちらも小学校の先生。ついでにいうと、兄の嫁も小学校の先生。姉の夫は中学校の先生。実は、俺の親父も元教師をやっていたとか(俺が生まれた頃には、転職した後で、既に公務員だったけど)…。まぁ、親父に関しては、もう退職しているから関係ないのだけど。よくよく考えてみると、かなりの教師一家だったんだよ。俺の家って。なのに、なぜ? 俺は、何をしているの?旅行者?なんだそれ。皆、家庭を持ってきっちり生活しているのに。いい年こいて、旅行者だって。結構、笑えるね。

 兄からのメールを読んでいて、引っかかったのが、「自分の目的を見失わずに、一日一日を過ごしてください」っていう”くだり”。俺の目的ってなんだろう?って妙に考え込んでしまいました。カナダに来てもうすぐ2ヶ月。俺は、なんのためにここにいるんだろう。英語学校に行ってはいるが、こっちで、大学や大学院に行きたいってわけでもないし。就職に生かしたい!なんて年齢でもないし。ただ単に、旅行の道具として必要だから。これが学校に行っている理由。そんなに頑張って勉強しているわけではないし…。

 確かに、最近”だれて”います。昼の12時から始まる語学学校の1時間目でさえも、寝過ごして、しばしば休んでいます。まぁ、全て自分の金なんで、誰に迷惑かけているわけでもないから、いいって言えばいいんだけど。でも、このままではお金ももったいないし、時間も無駄。そろそろなにか、しっかりと始めるか、もしくは他の場所に移動しようかななんて考え始めました。兄からのメールを読んでいて、そんな気にさせられました。

 そもそも、旅行に出た目的ってなんだったろう…。そんなことすら、忘れてしまいました。いや、最初から自分の中に明確な答えが無かったのかもしれません。本当に、なんでだろう? 会社員の生活に飽き飽きしていたから? 違うかな。会社員時代は、一応、責任あるポジションと仕事をまかされ、毎晩残業で忙しいながらも、充実した生活を送っていました。毎晩2時、3時まで働いていたので、収入も同世代の社会人平均額の1.5倍くらいもらっていたはずです。 なんでだろう…。少し、考えてみました。大げさに、かつ、かっこよく書くと、
 -世界各国の多様な文化に直接触れ、そこに住む人々に触れること。これらの経験が、自分の中でなんらかの糧(経験、友人、思い出、等)になり、旅行が終わった後は、世界各国の文化を、尊敬の念を持ちながら受け入れられるような人間になること。
 こんなのが目的と言えば、目的か…。でも、なんでしょうこれは。日常の生活とかけ離れたこの言葉。

 はぁ。日本を出発する前は、日常の忙しさや、海外生活に向けた期待の中で…。ただただ、具体的な目的も無いままに日本を発つことが可能でした。しかし、日本を出国してしばらく経過した今、旅の目的について考えてみると、”具体的な目的がない”ということが、次の国へ、そして、新しい文化圏へと足を向けようとする私の意欲を減衰させてしまうのではないかと心配です。目的なんかいらないやって考えていましたが、少し不安を感じるこの頃です。
更新地:トロント(カナダ)

前の日記へ 次の日記へ

トップページへ