旅日記


2001年10月18日(木)
トロント
晴れ

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グッバイ京本、ハロージャッキー
カット320円の巻
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今日は写真なし。

 ういっす。今日は気分すっきりです。なぜなら、数ヶ月ぶりに髪を切ったからさ。タイに行く前の5月くらいに美容院に行ったはずだから、かれこれ、5ヶ月が経過しています。その間、前髪は自分で切っていたのですが、最近では横と後ろがもっさりしてしまい、うざったくてしょうがなかったのです。

 先月あたりから「髪切りに行きたいなぁ」なんて思っていたのですが、「カナダの美容院は予約がいる(日本もか…)」、「切り方を伝える英語が難しい」、「どこの店が良いのかわからん」などの理由から、先延ばししていたのでした。

 起床後、シャワーを浴びると、もう耐えられませんでした。横が”もっさり”としてしまい、しょうがないのです。たとえるなら、京本正樹系の横髪といったところでしょうか。

「あー、髪切りたい!」

 うん、決意しました。噂に聞く、中華街(チャイナタウン)の床屋に行ってみることにしました。トロントの中華街の一角には、床屋が集まった区域があり、各店が客集めに激しい競争を繰り広げています。10ドル(800円)程度で髪が切れるとの噂を耳にしていましたが、低料金の代わりに、”切り方の指定は出来ない”、”すべての人がスポーツ刈りにされる”、”もみ上げは切るなといっても切られる”、”英語が通じない”等の恐ろしい話を耳にしていました。いいや、何とかなるわい。一度くらい経験してやろうじゃないの。インドの床屋も行けたんだ。中華街くらい、怖いことないさ。

 中華街に着くと、床屋密集の一角を目指しました。
「おぁ、たくさんの床屋が、値札を出しているよ」
「どうしよう、カット4ドル(320円)が一番安いみたいだ。行ってみよう!」

 入ると、いきなりの中国語。
「すんません。わかりません。私はジャパニーズです」
「…」
「予約してないのですが、髪を切ってただけますか?」
「…」
 どうやら英語が通じません。何度言い直しても通じません。「英語が通じない」の噂は本当でした。ですが、何とかなるものです。お客さんの一人が間に入ってくれました。「髪を切りたい」旨を通訳してもらうと、20分ほど待たされた後、どうやら30代くらいの中国系女性が私の髪を切ってくれることになったようです。

 散髪椅子に座った後、様々な方法で切り方を伝えました。どうやら、「切り方の指定はできない」はうそのようです。まず、財布の中に入っていた”日本の免許証”と、”PADIのカード(スキューバのライセンス)”を見せ、「こんな感じにしてくれ」と変な手振りで伝えました。更に、”バリカン”を手にもち、「これはつかわないでくれ。つまり、刈り上げにしないでくれ」を。”すきばざみ”を手にもち、「髪が多いから、これをつかってくれ」を。最後にテクノカットにならないよう、”もみあげ”を持って、「これを切らないでくれ」を指定しました。一応、これらのことが理解されたのかどうか分からないまま、カットは開始されました。後ろ髪をからカットが始まり、10分ほどが過ぎました。彼女は、依然後ろ髪にてこずっています。すると、店主と思われる風格の一人の男性が店内に入ってきました。私の担当
をしている彼女に、しばらくの間、中国語で話し掛けた後、私に英語で話し掛けてきました。

「やった。彼には英語が通じる!」

と安心したのもつかの間、彼からの質問を聞いて、腰を抜かしそうになりました。

「バリカンを横だけに使ってくれとはどういうことだい?」
「もみ上げは全部切ると、おかしくなるぞ。おまえはクレイジーだ!」

あぶねーあぶねー。そんな風に伝わってたんかい!

再度、彼に全部へんな英語で伝えました。「Trim up(刈り上げの意と思われる)はしないでくれ」、「This partsは切らないでくれ」。一応、ちゃんと伝わったみたいです。担当のお姉さん、笑っていました。もみあげ全部切られ、横だけ借り上げにされたら、笑いじゃ、すまないっちゅうに!

 1時間くらい試行錯誤されたでしょうか。結局、ジャッキーチェンのような髪型が完成しました。しかも、カットだけなんで、髪は湿っている(髪切るとき、スプレーみたいので水つけるでしょ)し、切った髪が、たくさん頭に残っているし。襟足にも髪がくっついたままです。さー髪を流して、ドライヤーで終わりかななんて思っていたら、「終わり」ですって。

「わーお!」「髪くらい流せよ!」、「ドライヤーくらいかけろよ!」

 値段を聞くと、やはり4ドル。髪型はジャッキーチェン、そして不満もありましたが、一時間もかけて切ってもらったんで、チップあわせて6ドルを払い、店を出ました。安いもんだ。帰り際、近くに公園を見つけ、手で髪をなでると、でるわでるわ、切りかす(短い髪)が…。公園内にいた人々からは、”ふけ”を落としていると思われたでしょうね。いいや、関係ないです、どう思われようと。そんな感じで、ちょっと買い物してから帰宅しました。もちろん、帰宅してすぐシャワーをあびました。洗髪すれば、ジャッキーからタッキーくらいに変わるかとも思いましたが、だめでした。ジャッキーのままでした。まぁ、4ドル(320円)で、京本正樹からジャッキーに変身できてラッキーでした(はぁ、つまんないの。駄洒落かい)。
更新地:トロント(カナダ)

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