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旅日記


2003年05月25日(日)
チェンナイ
晴れ
- サミー満喫 (ちかれたので、ふざけ文調。ごめんなさい) -

 
 南インド現在大ヒット中映画「サミー」見てきましたです。「サミー」は英語では「GOD」(神様)の意味だとのこと。アクションものでワクワククワガタ、俺はニイガタでした。内容は複雑怪奇、愉快痛快怪物君。タミルナードゥ州の言語であるタミル語だったので、詳細はわかんないけど。ギャグも満載で、動きだけで笑える部分もタタ有りました。

日本のビデオ屋にビデオがおいてあったら、その裏書はこんな感じか。

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 タミルナードゥ州立警察に勤務する、破天荒刑事(デカ)マルサミー、通称「サミー」。地元の町では荒くれ者で通っている彼が、実は州警察本部の凄腕デカだということはあまり知られていない事実。彼は、今日もマフィアの抗争激の最中にいた。いつもどおりの忙しい毎日を過ごしていた彼の前に、ある日突然一人の美女が現れる。美女の周囲にうごめく黒い影。そして、かつて無い大事件へと彼は身を投じていく。新進気鋭の**監督が送る痛快アクション映画。2003年、南インド観客動員数第一位を記録。
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 いやわらった。いろいろな意味でわらった。3時間あまりのこの映画、ならびに観客の反応について、順に沿って簡単に書くと、

開始30分前、館内は全席指定にも関わらず、入り口には長い列。皆、入場を待ちきれずに並んでいます。そのくらいの人気。この映画館、1スクリーンですが、客席は3階に渡って、500席以上はあろうかという大きなもの。日本の一般的な映画館よりずいぶん大きかったです。そんな映画館でも、今日の上映は全て満席。前売りチケットをGETしないと、見ることが出来ない状態なんです。つーか、全席指定なんだから、先を急いで押し合いするなっつーの。

開始10分前、館内に主題歌(映像は無し)が流れ始めると、指笛がひどい。ピーピーうるさいうるさい。俺の前の席のインド人軍団が、立ち上がって踊りだし、「インドらしいなぁ」と感激。

午前11時半、観客の大歓声と指笛とともに上映開始。

開始5分、足から、なめるようなカメラワークでヒーロー(40歳くらいの親父にみえるが、もしかしたら20代かも。口ひげ生やしてるし(インド男性の8割方は口ひげ野郎)、顔こいーし。俺にはインド人の年齢が全く分からん)登場。大歓声があがる。

開始10分、ヒーローがビールをラッパのみしながら、何の理由かわからんが、道行く一般の通行人を殴りまくる。50人くらいはビンタ、キックの雨あられ。ビンタで3、4メートルもふっとぶなっつーの。笑える。ばきっ、ばきっっていう効果音も笑える。対戦格闘ゲームでもこんな音しないやぃ。

開始15分、インド映画につきものの、集団ダンス一回目が開始。1階席のインド人総立ちでダンスを真似る。ダンスはすげーやー。首の動きがすげーや。ドリカムのボーカルみたいだ。

開始20分、ヒーローが実は警察官だということが判明。観客も歓声をあげる。庶民を理由なくなぐる警官、うん、これぞインド。

開始40分、ヒーローが、事件の最中に町のチンピラを一人殺したことから、これ以降、マフィアのボスからにらまれることとなる。

開始50分、ヒーローが、ふとしたいきさつから知り合いになった、美しい女子大生に恋をする。ヒーロー、40くらいに見えるけど、女子大生に恋して、給食いいんかい!

開始1時間、ヒーロー無茶しすぎ。町壊しまくり、人殴りまくり。新聞紙上でも報道される。ヒーロー、上官から呼び出されて、こっぴどく怒られる。

20分の休憩。隣のインド人がコーラ、俺のズボンにこぼしやがった。肘掛けの上なんかにコーラ置くなよ。あほじゃないの。映画見ているときから肘掛け独占しちゃってさ。肘掛けはあんたのものなの?挙句の果てに独占した肘掛けからコーラなんかこぼしちゃってさ。なんなのさ。あんたあの娘のなんなのさ。

再開5分、マフィアのボスが送り込んだ刺客に、ヒーローが背後から襲われそうになる。バスにて通学途中の女子大生が、偶然、そこを通りかかり、バスの中から、ごはんの入った弁当箱を刺客に投げつけ、ヒーロー、間一髪で助かる。何度も言うけど、女の子の弁当箱が額にあたっただけで、数メートルもふっとぶなっつーの!

再開8分、ヒーローが、自作のお弁当を女子大生に届ける。この頃から、女子大生もヒーローに目を奪われることとなる。ちなみにステンレスの弁当箱の中には白米が。白米の真中には、梅干よろしくカレーでした。よろしくメカドックだね。

再開15分、なぜかヒーローと女子大生が同棲していた。ヒーローとヒロインのあまくセクシーなやり取りに、観客も歓声を上げる。ヒーローがヒロインの髪や顔や腕や、いろいろなところに顔を近づけると、「いけー」みたいな叫び声が館内をこだまする。おまえがいけよ。どこかわかんないけど。

再開20分、ヒーローとヒロインが結婚する。結婚式の様子が写しだされる。はえーな、おい。出会いから、多分半月もたってないぜ。ありえねー。

再開23分、マフィアのボスが、ヒーローを誘い出すために、近郊の村を一つめちゃめちゃにする。村中の商店のガラスが叩き壊され、数人の村人が亡くなる。結婚式途中のヒーローの元に、ぼこぼこにされたヒーローの相棒がやってきて、「今、**村がめちゃめちゃにされている。早く来てくれ(多分)」。ヒーロー、結婚式を投げ出して、現場に急行。よわっちいマフィア軍団を一蹴。

再開30分、マフィアのボスがヒーローの実家に爆弾を仕掛ける。なぜかヒーローはそのことに気づき、猛スピードで車を走らせながら、携帯電話で実家に連絡を試みる。が、お父さんは友達と電話で長話し中。ヒーローからのコールは、話し中でつながらず。爆発数秒前に電話がつながり、父に爆弾のことを知らせるも手遅れだった。ヒーローの携帯からは、大きな爆発音の後、父の声が聞こえなくなった。ヒーローが実家に到着すると、くすぶる炎の中に、父のものと思われる足が…。ヒーローは決死の形相で、リベンジを決意する。

再開50分、ヒロインがマフィア軍団に襲われそうになるが、なぜかヒーローが駆けつけ、ヒロインを救う。

終了まで、アクションとダンスシーンの連続。最後は、父の復讐に燃えるヒーローがマフィアのボスを拳銃で撃った上、死体にわらをかぶせ、そしてそこに火を放ち、映画終了…。ひでーな。火まで放つなんて。「俺の親父が感じた炎をおまえも思い知れー」っつうことなんだろうけど。


<映画を見て気づいたこと>

- 「インドの一般庶民に近い視点で製作されていて、好感が持てた」
映画の中の世界も、一般的なインド人の生活とあまり変わりないように思えた。ヒーローは、普段は「ルンギー」(南インドの一般的なファッションである腰巻)姿だし、乗っているバイクは「HERO HONDA」(日本のHONDAとインドの会社の合弁か?、ほかに、キネティックHONDAやTVS、SUZUKI、YAMAHA、KAWASAKI、エンフィールドなんてメーカーがインドでは人気がある模様。普通の「HONDA」のバイクも走っているが、「HERO HONDA」と「キネティックHONDA」、そして「HONDA」…、違いが何なのかわからん)だった。インドで数回映画を見たが、多くの映画には、色が白くて格好の良い男女、外国製品であふれる自宅のリビング、ヨーロッパ製の自家用車…、そんなものが多く写っていた。インドにおいて、映画がこれほどまでに庶民の娯楽として定着している理由の一つに、「庶民は、スクリーンの中に現実逃避を求めているから」といったことを聞いたことがある。そんな、現実離れした映画よりも、旅行者としては、こっちのほうが楽しいや。

- 「TNナンバーやチェンナイの駅が映画内に見れて、嬉しかった」
TNナンバーとは、現在滞在しているタミルナードゥ州の車、バイクについてるナンバーのこと。ナンバーの文字は、TNから始る。地元製作の映画には、地元のもの、地元の景色、そんなものがたくさん写っていて、愛着を持って見ることが出来た。

- 「こりゃ映画作成本数も世界第一位になるわけだ」
州ごとに使用言語が全く異なるインド、どうやら映画も、いくつかの地方、もしくは州ごとに製作しているらしい。ビジネスとして成り立つのか?って思うけれども、インドは10億人もの人口を抱える国。ここ、タミルナードゥ州ひとつとったって、6,000万人もの人が住んでいるのだ。一州だけで韓国よりも多いよ…。だから、十分ビジネスとして成り立つのです。

- 「アクションがふにゃふにゃした動きで笑えた」
一般のインド人が殴りあいの喧嘩をしているのも見たことがあるが、何か、殴り方が変なのだ。なよなよっとして、猫パンチみたいなのばっかり。映画の中のアクションにも、少しそんな影が見えた。

-「CG技術はまだまだだ」
ヒーローが橋から飛び降りたり、爆弾が破裂するシーンでCG処理が利用されていた。実写とCGのつなぎ目がばればれだったり、動きがかくかくしていたり、火の手の上がり方が不自然だったり…。まぁ、そこがインドらしくて、楽しく見れるのだが。

-「他国の映画の影響も強く受けているようだ」
この映画は、ブルースリーやジャッキーチェンに代表される香港映画の影響を強く受けている模様だ。特にアクションシーンに、その影響が強く見られた。棒を使ったアクション、椅子を使ったりするアクション…等々。また、もちろんハリウッド映画の影響も色濃く見えた。アクション途中にCGを加えたりと、インド映画もがんばっている。ちなみに、ジャッキーチェン主演の映画は、インドでも大人気だ。CD、DVDショップにいったら、ジャッキーコーナーが設置されていた。領土問題があるため、総じて中国人を嫌いなインド人達。でも、中華料理とジャッキーチェンは大好きなのだ。ちなみに、俺が「日本人だ」って話すと、「ジャッキーチェンはすげーなぁ」って返してくる奴がたまにいるのだけれども、彼らはジャッキーチェンを日本人だと思っているのか、中国と日本が同じ国だと思っているのか、謎。

-「音楽、ダンスには独自色が出ていて、やはり素晴らしい」
音楽はやっぱり素晴らしいやね。インド独特の音色、タブラーの音、西洋の音階では表現できない音。集団ダンスもすげーや。どうやったらあんな動きができるの?あんふうにリズムが取れるの?って部分に感激。特にそのリズム感は特筆もの。もちろん、表とか裏とかそんなレベルではなくて、真似しようと思っても、俺には真似できないや。

-「ヒロインがかわいいんだ、また」
インド人の綺麗な人は本当に綺麗なのだ。ミスユニバースに選ばれた回数1位?は、だてじゃないね。映画に出てくるような人は、さすがにきれいだねぇ。一月半インドにいて、町で本当に綺麗な人を見かけたことは皆無だけれども。

-「きわどいシーンがいくつか。最近のインドではこんなのもありなのか」
SEXを想像させるようなシーンやキスに近いシーンや、そんな場面もあった。インドも性的に開放的な方向に進みつつあるのかなぁ。それと、ヒーロー、序盤からビールのみまくりなんだけど…。インドでそんな堂々とビール飲んで、放送いいんかい?。インドでは飲酒はあまり好まれません。観光客の俺でさえ、現地人に気を使って、買ったビールを隠しながらホテルに持ち帰っているって言うのに。

-「ネパールか?マレーシアか?シンガポールか? ジャパンだっつーの」
日焼けした肌の色のせいか?チケットもぎりのお兄ちゃん、売店の親父、「ネパールか?マレーシアか?シンガポールか?」ってうるさいんじゃ。なにじんでも良いけれども、対象国を限定して尋ねるな! 「どこから来ましたか?」と尋ねろ。

 次回の更新は、多分ヴァラナースィーにて。ばいばい。
 

- 本日の出費 -

レート : Rs1(ルピー)=\2.5

- 移動費 -

From : To : 手段 : 値段 : 所要時間 :
 

- 飲食費 -

ビルヤーニ * 1 (昼食) - インド風炊き込み御飯 Rs20
ミネラルウォーター 1L * 1 Rs12
 

- 雑費 -

SCISSORS FILTER * 1 (たばこ) - 1パック20本入り Rs30
宿代 Rs100
映画代 Rs40

更新地 : Chennai ( INDIA )

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