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旅日記


2003年10月18日(土)
ソウル
晴れ
- ソウルの町を歩いて -

 
 アンニョンハセヨ。

 昨日の17時頃、ソウルの仁川国際空港に無事到着しました。入国審査の後、空港内の銀行でトラベラーズチェックを両替し、その後、インフォメーションセンターに向かいました。センターで、地図、ガイドブック等を入手するとともに市内までの行き方、安宿の場所、簡単な韓国語を教えてもらい空港を後にしました。インフォメーションカウンターでは、「教えてあげた宿に電話してみると良いわ!そうそう、このテレフォンカードをあげるから、使ってみて!」なんて言葉に、「あら〜日本人観光客にも優しいんジャン!」なんて感激。なにか、韓国っていうと、人々は未だに「日本人は鬼だ」みたいな考え方を持っているのかと思ってしまうのです。やはりあからさまに「はぁ日本人ね!」なんて態度を取る人っていないのですね。少し安心。とにかく、2,500Wのテレフォンカードを無料で配布している韓国の観光局は立派だ。

 空港から605番のバスにのり、18時半ころ、教えてもらった宿にたどり着きました。宿の名前は「テウォン旅館」。到着してみれば、オーナー夫妻は簡単な日本語、英語を話すし、地球の歩き方にも載っている有名な宿とのこと。「朝食も無料とのことだし、良い環境だ!」と
即チェックインを決めました。

 さて、昨晩はチェックイン後に30分ほど、そして今日も2時間ほど宿の近辺をうろうろしてみましたので、少し気づいたことでも書いておきましょう。

 <街中にはハングルしかない…>
 駅構内、観光案内所や旅行者用の飲食店、そういった場所を除くと、街中に存在する文字情報はほとんどがハングルです。商店の看板、レストランのメニュー、コンビニで売られている商品のパッケージ、そのほとんどがハングルで表記されています。ひらがなやカタカナを見つけることが出来ない(先日までいた台湾が特別なんだね)のは当たり前として、漢字やローマ字も大変少ないのです。韓国は一応漢字圏に属する国のはずです。ですが、こんなに漢字が追いやられているとは…。
 ガーン、ハングルが一切読めない私は、何を見ても全くちんぷんかんぷん。中国、台湾では「この店が何屋か?」くらいは判断できたのですが、韓国では全てがわけわからず状態です。たとえば、コンビニでおにぎり買うにもドキドキ。なんせ中身がなんなのかまったくわからんのですから。

 <ソウルは寒かった…>
 昨日、ほかほかの台北からここソウルにやってきた私の格好はというと、Tシャツにジーンズというものでした。空港からのバスを降りたとたん、「寒っ!」。バックパック背負って歩くとほかほかなんで個人的にはTシャツでちょうど良かったのだけれども、周囲の視線が気にかかります。だって、そんな格好の人は俺のほか誰もいないんですから。皆、コートっすよ!セーターっすよ!。真冬でも半ズボンをはく、なんでかわからんけれども寒さを感じない小学生のような俺でした。ちなみに、一日の最低気温は6度とか7度です。空気が乾燥していることもあって、ソウルはとっても寒いのでした。

 <スーツ姿のサラリーマンが…>
 スーツ姿の人々が多い。つーか、多すぎるぞ。「日本の近くに来ている」ということを実感。もちろん世界中にはスーツ姿の会社員が多いけれども、韓国や日本なんかは特別多いと思います。なんか奇妙に思えるくらい。俺、基本的にはスーツが嫌いです。メンテナンスが面倒くさい(しわがつきやすい、洗いにくい等)、夏は暑い&冬は寒い、きゅうくつ、値段が高い…。快適な服があふれるこの世の中、何故こんなにも不便な服装が仕事服として定着しているのか、甚だ疑問を感じます。格好良いと思う瞬間、身につけたい瞬間はもちろん俺にもあるのですが、仕事服としては便利なものじゃぁないよね。

 <韓国車が多すぎる…>
 ねーねー、街中には韓国車しか走っていないわけなのよ。ほんの時折見かける外国車は概してドイツメーカーの高級車。一日中町歩きしても、日本車を一台も目撃できません。これほど日本車が少ない国は、世界でも珍しいのではないでしょうか。いや、俺が思うに、ここは「世界一日本車の割合が少ない国」なんじゃぁないだろうか。
 ところで、国内に自動車メーカーを持つ国において国産メーカーの自動車比率が相対的に高くなるという点は当然のことです。「アフターサービスの安心感」、「適切な価格」、「装備が当地の環境に適している」、「自国の自動車会社を応援する気持ち」、こういった様々な要因がそこにはあるのだと思います。ただ、「人間の嗜好の多様性」というか、つまり「好みは十人十色」という面を考えれば、「韓国では、なぜこれほどまでに日本車が少ないのだ?」と疑問が湧いてくるのです。たとえば、韓国以外で一定の規模以上の自動車生産国といえば、日本、米国、ドイツ、フランス、イタリア等が挙げられると思いますが、これら国々の中で、これほど外国車、日本車が目立たない国ってのはないはずです。まぁ、「韓国政府が自国の自動車産業保護のために外国車を入れないような政策」をとっていたり、「仮に外国車が入ってきても、それにはべらぼうな関税がかかり、結果として値段がバカ高くなる」ような仕組みになっていたり、はたまた「韓国の人々は人一倍愛国心が強く、国産のものを嗜好する(ソニーや富士フィルムのデジカメを持っている人も多いようだから、そうでもないのか?仮説が合っていれば、サムソンやらLGだらけになるはずだ)」など、ここには可能性として様々な要因が考えられるわけです。が、一点余計なことも考えてしまいます。「もしや、日本車なんか購入した奴には、あたかも非国民のような烙印が押され、彼は村八分にでもなるのでは?」。
 以前、カナダで知り合った韓国人「キソク」は、何かのときに、私にこういった言葉を伝えました。
「仮に俺が日本人に好意をもっていたとしても、韓国の社会でそれを公言するには少し勇気が必要なんだ。日本が好きとか日本人が好きとか、そういうことを公には言いづらい雰囲気があるんだ。友人には『日本人の友人を持っている』ということを話すことができるし、むしろ自慢っぽく話すことができる。だけれども、友人以外には言いづらい雰囲気がある。どんな反応が返ってくるかわからないしね」
こう話した彼は当時23歳でした。この言葉を聞いたとき、俺は驚きと戸惑いを感じました。戦争も経験していない若い世代にとっても、やはり「日本人」は未だ特別(他の外国人とは違うという意味。もちろん、「優れた」というニュアンスの「特別」ではない)な存在であったのです。
 ちょっと変な方向に話が傾きますが、韓国と日本はFTA(自由貿易協定)を結ぶべく交渉に入ろうとしているようですね。これが結ばれれば、ソウルの通りにも少しは日本車が多くなるかな。そして日本の八百屋も韓国野菜だけになるのだ〜。まぁ、しょうがないことなのかねぇ。

 <キムチが…>
 美味い。さすが本場だ。それだけ。ソウル市内には様々な種類のキムチが無料で試食可能な「キムチ博物館」なるものがあるらしいから、そのうち訪ねてみようかな。

 <準備無しでも特に問題なし>
 韓国旅行にはあまり下準備はいらない模様です。ただ、上に書いたように、ハングルが読めれば便利だが…。ソウル市内だけを見ても、観光案内所が山ほどあり、またそこには山のような日本語資料があり、日本語の出来る係員が常駐し、1330なる電話番号に電話をすれば、24時間日本語で、あらゆる旅行相談が通話料のみで可能なようです。これら多くの案内所や日本人向けのサービスが以前からあるものなのか、はたまたワールドカップ前に用意されたものなのか定かでないです。いずれにしても日本と比べ、そのレベルは段違いのものと感じられます。外国人観光客向けのインフラはかなり整っています。

 <めがね着用率が高い>
 台湾もそうだったが、韓国も多い。小学生から老人まで、国民のめがね着用率が非常に高い。コンタクトレンズはポピュラーじゃないのかな?

 <女性のだぼだぼジーンズが多い>
 これは韓国独特のファッションだと思う。多くの国々では、女性は細いAライン(というのか?)のパンツなんぞをはいているが、何やら、韓国ではだぼっとした独特のスタイルのパンツをはいている若い女性がとても多い。体型を隠すのに格好のスタイルなのか?これ、個人的には大嫌い。

 <駅構内に図書館があったりする。勉強している人々がいた>
 「これ、やりすぎだろ!」ってな感じ。地下鉄の駅構内にミニ図書館があって、そこで黙々と中高生が勉強していた。雑音も気にせずに…。大丈夫かい?君たち?

 最後にテレビを見ての感想を少し。いずれも日本に比しての感想です。

 <TVショッピングチャンネルが多い>
 なんか10チャンネルくらい同時にやっていたりする。衣料品、電気製品、調理用品、キムチ等が目立った。キムチが韓国らしい。俺的には、「テレビショッピングで買ってはいけない商品第一位=衣料品」なんだが、「衣料品をが人気=衣料品を扱っているTVショッピングが多い」なのだろう。だが、TVと実物では色も多少異なるだろうし、TVでは肌触りも感じられないし、ましてやモデルさんのように似合うわけでもないだろうし。良く買う奴がいるもんだ。

 <中高生向けの勉強番組が多い>
 中高生をターゲットにした、予備校のおっさんが黒板を用いて数学やら英語を解説しているような番組が多いです。日本以上の学歴社会といわれる韓国を象徴するような番組です。

 <コメディ番組が多い>
 「着ぐるみ着た若いアイドルとお笑いタレントがコントをしている」みたいな番組が目立ちます。鼻水、タン、つばなどを使ったお下劣コントも目立ちます。

 <英語学習番組が多い>
 日本ではNHKでしかやっていないような大人向けの英語学習番組が多数放映されています。台湾にしても韓国にしても、こういった番組の質、量は日本のそれを凌駕しているように感じられます。こういったものを見るにつけ、「日本はやばいぜよ」と感じるのだ。

 疲れた。おやすみ。
 

- 本日の出費 -

1NTD=3.5円

- 移動費 -

From : To : 手段 : 値段 : 所要時間 :
宿 あてもなく 徒歩 - 1時間
どこかから 宿 徒歩 - 1時間

- 飲食費 -

カップラーメン (朝食) -
コーヒー (朝食) -
おにぎり * 2 (夕食) 1,000W
ビール * 4 (夜食) 7,400W

- 雑費 -

L&M MILD (たばこ) ← 台湾でまとめ買い -
インターネット代 (1時間) 1,000W
宿代 20,000W

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