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旅日記 |
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2003年02月26日(水) ブダペスト 晴れ - 旅行再開! - |
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2月26日、朝7時頃、誰かの出かける音に反応して、目を覚ましました。 「うーん、まだ7時かぁ。もう一回寝よう…Zz…」 朝9時頃、もう一度、人の気配で起こされました。 「うーん、まだ9時かぁ。もう一回…、いや、今日は駄目だ。寝ては駄目だ」 意識はもうろうとしながらも、なんとかタバコに手を伸ばします。2吸いもすると、やっと吸いなれてきた「SOPIANAE LIGHTS」が、私を現実の世界に引き戻しました。 「うん、今日も快晴だ。今日出よう、この町を」 窓から見上げた青空は、何か昨日までのそれとは違うようで、自分の中に、なにか晴れ晴れとした気持ちを引き起こさせてくれるものでした。決心すると、早速、同宿の皆に宣言しました。 「俺、今日出るわ〜」 「無理っすよ。先生(なぜか、俺のあだ名が先生になっていた…。なぜだ?)はあと1週間くらい、ここにいますよ、きっと」 なぜ、今日、ここを出ようと決心したのだろうか。うん、きっかけは昨晩の、メキシコ人とのやり取りだったのではないかなぁ。昨晩、2人のメキシコ人が、客としてこの宿にやってきました。彼らがこの宿に泊まることになり、そのベッドが私の横になることが決まった後、彼らと数十分ほど話しました。 「この町にはいつきたんだい?」 「うーん、2週間くらい前かなぁ」 「じゃぁ、いろんなところにいったでしょう?」 「えー、温泉に行ったのと、博物館を2箇所くらい訪ねたくらいかなぁ」 「そうか。じゃぁ、毎日何をしているの?」 「本を読んだり…、酒を飲んだり…。部屋から全く出ない日もあったよ」 「なぜ、旅行に来ているのに、何もせず、部屋にいるんだい?」 「いや、少し疲れ気味で…。ほら、部屋の中暖かいしさぁ、毛布に包まれていると、最高って感じでしょう」 「もったいないと思うよ。本を読むばかりなら旅行先でなくてもできることだし、この場所にいる必要が無いように感じるんだけれども…」 「いや、本とかも、日本では読まないようなものを、ここでは読むし、これも自分の幅を広げたりすることに必要なんじゃぁないかなぁ」 「日本人の旅行者は、そういう人多いよね。俺らにはちょっと理解しがたいなぁ…」 … この後も、さらにこんな会話を続けました。我ながら、自分の話していることが、どこか口実めいた感じがしないでもないような気がしていました。「沈没…」。日本人旅行者は、よくこの言葉を口にします。「どこそこで2ヶ月沈没したよ」。こんな感じで使います。この、海の底から抜け出すのは、簡単なようで、なかなか難しいのです。実際、1つの宿で、毎日何もしないまま、数ヶ月をすごす旅行者も多いのです。面倒くさがりの私も、こういった状態に陥ることが間々あります。カナダなんかまさに沈没でした。居心地が良くて、毎日だらだらっとすごしていました。「あぁ、だめだ、だめだ!」 午前中のうちに旅行代理店を訪ね、23時10分ブダペスト発アラッド行き夜行列車の切符を買いました。これでもう、今日の移動が決定しました。しかし、いざ動くとなると、やはり面倒くさいですし、それ以上に、宿に対して、また宿の主人へレナに対して、そして同宿の旅行者に対して、なにか恋人や家族と別れるときのような、寂しさを感じてしまいました。学生時代、たまに感じたことがありました。私の住んでいたアパートは大学の近くにあり、よく友人達が泊りがけで遊びに来ていました。彼らが帰宅するとき、「あぁ、やっと1人なれるよ。あいつらったら、5日間も俺の家に泊まっていやがった、やっと開放される!」といった思いとともに一抹の寂しさのようなものを感じたものでした。そんな寂しさに似ていました。 22時半、宿を後にする時刻となりました。 「ヘレナ、ここ、すごく居心地よかった。ハンガリー来たら、ここに戻ってくるね。ヘレナは、俺のハンガリーの母親って感じだった。ご飯もすごく美味しかった!」 「そうねぇ、新婚旅行の時に、この宿に戻ってきなさい。必ずよ」 新婚旅行の宿泊先がドミトリーかい。なかなか笑える。まぁ、それも面白かろう。「こどもつくれないじゃん。ここじゃ」。そう言おうとして、口をつぐみました。こどもは作れないけれど、お母さんが作れるんだ。俺の嫁さん(それが誰なのかはわからんが)にとっても、ヘレナは、ハンガリーの良い母親になってくれることでしょう。 駅までの約1Km。久しぶりに背負ったバックパックが、肩に食い込みます。重い…。ヘレナの家に帰りたい…。そして23時、駅に到着すると、程なく、アラッド行きの列車が汽笛を発しました。「早く乗らないと」。 また旅行が始まりました…。 |
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- 本日の出費 - |
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レート : 1E(ユーロ)=\130 レート : 1FT(フォリント)=\0.5 |
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- 移動費 - |
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- 飲食費 - |
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- 雑費 - |
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更新地 : BUDAPEST ( HUNGARY ) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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