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旅日記


2003年04月28日(月)
ゴア
晴れ
- やっぱり、俺は海大好き人間だった -

 
 ナマステ。

 24日に、ここゴアに到着して以来、ビーチを訪れていない日は皆無。朝の海、昼の海、夕方の海、夜の海、連日、海を満喫しています。やっぱり、俺は海が大好き。俺が、元来山育ちというせいもあるのかもしれません。俺の親父も海好き(釣り好き?)なので、そのせいなのか?。海を見ていると心が癒されます。誰もがそうなのかもしれませんが、俺はその度合いが強いかもしれません。潮風、波の音、全てが心地よく、本当に幸せ。やはり、いつかは綺麗な海の近くに住みたいなぁ。カンクン、ハワイ、沖縄…、美しい海に歩いて行くことができるような場所に家でも持ちたいものです。朝起きて、海で泳ぎ、シャワーを浴びて仕事に向かう。夜は海辺で酒でも飲みながら、時には音楽と共に、また時には静かに、ゆったりと過ごしたいです。これが俺の理想かな。

 さて、今日は、現在滞在しているカラングートビーチから、バスで1時間ほどのパナジ(パンジム)という町へ行ってきました。この町を訪ねた目的は、列車の予約、そして軽い観光といったものでした。パナジは人口数万人の大きな町で、ここゴア州の州都でもある町です。かつてポルトガルの植民地だったこの町には、インドの他の地域にではなかなか見ることのできないカトリックの教会等がいくつか見られ、旅行者にとって興味深い土地です。

 バスを降りて最初に向かった先は、バスターミナル内の鉄道予約カウンターでした。チケットオフィスに行ってみると、インドのどの町でもそうであるように、トークン(チケットを買うことができる権利を示す紙。まずこれを入手しないと、チケット予約カウンターにもたどり着けません)発行カウンター前には長蛇の列がありました。4、50人ほどのインド人の後に並ぶこと1時間、トークン代金として10ルピー払い、やっとトークンを手に入れることができました。このトークンには、先着順に番号が振られていて、私の番号は148番でした。チケット予約カウンター前に電光表示されている番号が97番。この番号(97)が私の番号(148)に到達するまで、ゆうに3、4時間はかかりそうです。このオフィス内でその時間を過ごすのももったいないので、市内観光に出かけました。もう、インドったら…、列車のチケットを予約するにも一日がかりです…。

 バスターミナルから目指した先は、この町一番の観光地であるパナジ教会でした。ターミナルから歩くこと20分、真っ白の美しい建物が見えてきました。ふむ、まさにインドとは思えないこの景色。教会前で一服し、その姿を写真に収めてから、近くにあったインド政府観光局に向かいました。政府観光局に行った理由ですか?、うん、特にありません。尋ねることも無いし、地図もいらないし、エアコンにあたりたかったからかな。暇だったしさ。建物内に入って、しばらくすると、担当官が出てきました。「特に用は無いのですが…」とも言いづらいので、いくつか質問をぶつけてみました。「30日にコーチン(インド南部の町の名前)に向かい、その後、インド最南端のカニャークマリに行く予定ですが、南部のほうって、雨季はいつごろ始まりますか?、もしや、すでにモンスーンが"がんがん"ですか?」、「東南インドのお勧め観光ポイントはどこですか?」、「東南インドで、綺麗なビーチはどこですか?」…。どうでも良いこんな質問に、担当官のおっちゃんは、非常に親切に答えてくれました。そして俺の質問が終わった後、彼からの質問"口撃"が始まりました。「日本人か?」、「日本では何をしている?」、「いつインドにきた?」、「どこの国からインドにきた?」、「インドはどうだ?」、「これまで行った国で、どこの国が最高だ?」、「インド人とジキジキはしたか?(ジキジキとはセックスのこと。おいおい、あんた政府の人間だろう…)」、「いつ日本に帰るんだ?」…。おっちゃん暇なのか、"口撃"は30分以上続きました。
「あぁ、おっちゃん、俺もうバスターミナルにある鉄道予約センターに戻らないと…」
「そうか、名刺をあげるから、何かあったら連絡しなさい」
あっはっは。インドはすげーや。北と南で、こうも人間が変わるとは。北インドは、総じて、人がきついです。街中で声をかけて来る連中も、全て金、金、金…。"マネーの虎"状態です。政府関係の人間も、鼻高々で、旅行者対応の雑さが目立ちます。一方、南インドの人間はまろやかです。親切心で声をかけてくれる人も多いし、笑顔で挨拶してくる人の数も、だんぜん南の方が多し。南は旅行しやすくて、とても楽です。

 14時頃、バスターミナルに戻りました。鉄道予約オフィスを訪ねてみると、電光表示は依然120番代でした。私の順番まで、あと1時間ほどといったところでしょうか。「あぁ、まだ時間がある。暇だ…」。そんなとき、この暇人の心を察知したのか、一人の日本人旅行者が、私に声をかけてきました。彼とは、午前中にこのオフィス内で出会い、挨拶だけ交わして別れていたのでした。
「あー、またお会いしましたね」と彼。
「そうですね、一週間ほどこの近辺にいて、日本人の姿を全く見かけなかったのに、今日の午前中にお会いして、また再開するなんて…。なかなか無いっすね〜」
「もし順番待ちで暇なようだったら、ちょっと外でお茶でも飲みませんか?」
「いいですね〜」
彼は名前を"靖之"さんと言いました。年齢は35歳。現在、南インドを旅行中とのこと。5月1日に、ここパナジの町からバンガロール(都市の名前)に向かうとのことでした。1時間ほど、互いの旅行のことや"SARS"のことなどを話題にお茶を飲んで、お別れしました。
「明日の夕方、暇だったらいっしょに映画でも見に行きませんか?」
と彼から誘われたので、快く承諾して、鉄道予約センターに戻りました。

 電光表示は139番。あぁ、もう少しだ。ここからはセンター内で待つこととしました。なぜなら、自分の番号を逃すのが怖いから。30分ほど待って…終に来ました、俺の順番。

「ういーっす。こんにちは、サー。これをお願いします(トークンと予約申請用紙を差し出しながら)」
「はい。少し待ってね」
「はい」
「うーん、君の乗りたい列車は5月10日まで、すべて満席だねぇ」
「は?、5月10日ですか?、今日は4月の28日ですよ?」
「うん。今はね、インドの休暇シーズンなんだ。君の行きたいコーチンは、インド人の目指すリゾート地だから、込み合っているわけさ」
「パナジからコーチンへ向かう列車を、あと数本知っているのですが、それらの予約状況も調べてもらえますか?」
「列車番号は?」
「2978と6337、そして6345です」
「ちょっと待ってね。うーん、だめだねぇ。5月6日までは全て満席だねぇ」
「わかりました。でも5月6日までは待つことができないので、4月30日の便で、ウェイティングリスト(席のキャンセル待ち。キャンセルが出ない場合、列車に乗り込むことはできるが、16時間列車の床で過ごすことになる。料金は寝台料金と変わりなしという、ひどいシステム)の番号(ウェイティングリストの番号とは、キャンセル待ちの人数のこと)のもっとも少ない列車で発券してください。何人の順番待ちですか?」
「48人待ちの2618便がもっとも少ないけれど、これで良いかい?」
「48人待ち…。当日、席が取れる可能性はありますか?」
「たぶんだめだねぇ…」
「わかりました。16時間床で過ごします。OKです」

あぁ…、またもウェイティングリスト。ムンバイからここゴア(パナジ)に来た時もそうでした。トイレから流れ出してくる水や、乗降する客の荷物にまみれながらの数十時間。また、あのつらい時間がやってくるのです。インド、列車の便が少ない割に、人間の数が多すぎるよ。本当にもう。実は最近、少し大人になって、汚い大人の世界って言うか、そんなものも身についてしまった俺です(しょうがなく)。とりあえず、小声で聞いてみました。
「もしここで、多少のお金を鉄道会社か、もしくはあなたに支払ったら、席は取れるものですかねぇ…?」
「フフフ」
彼は笑って、指を5本立てました。
「何?5ルピー(13円弱)か?払う払う!」
「違うよ。500ルピーだ」
あら、向こうのほうが上手でした。300ルピーのチケットに、上乗せ500も払うか!ってば。

 48人待ちのチケットを入手し、がっくりと肩を落としながら、カラングートビーチへと戻りました。そしてまた今日も海へと向かいます。夕日を見ながらビールを飲み、最近、なじみのレストランで毎日のように飲んでいる、ミックススープをオーダーし、そして物思いにふけります。

 あーやっぱり海が好きだ。ウェイティングリストのことも忘れさせる、この海の素晴らしさ。明日もくるぞー!

 おしまい。
 
 

- 本日の出費 -

レート : Rs1(ルピー)=\2.5

- 移動費 -

From: To:
カラングートビーチ パナジ 市バス Rs7
パナジ カラングートビーチ 市バス Rs7
 

- 飲食費 -

ミネラルウォーター * 2 Rs20
ミックススープ (朝兼昼兼夕食) - 野菜、チキン入りスープ Rs40
BELO * 2 (夕食) - ビール。ゴア州を代表するラガービール。650mlボトル Rs90
ネスカフェ * 2 (おやつ) - 単なるコーヒーのこと Rs10
リムカ * 1 (おやつ) - レモネード Rs7
 

- 雑費 -

STYLE (たばこ) Rs10
宿代 Rs170
蚊取り線香 Rs16
石鹸 Rs20

更新地 : GOA ( INDIA )

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