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旅日記
2003年07月12日(土)
プノンペン
曇り
- とんかつを食うことについて分析する -
　
　チュムリェブスゥー。

　「うげー、腹いっぱいでごわす。もう食えない！！」
昨晩は、もう数ヶ月ぶり！なんと日本料理を食してきました。さくっとした衣のなかには、厚い豚肉が…、そこから流れ出す肉汁の量ったら、それはもう…。

　昼間、暇にまかせて、宿に配布された日本語のプノンペン情報誌を読んでいました。やべー、その中ほどには、でかでかと"とんかつ"の写真があったのです。その写真を目にした時から、もう一日中心の中はとんかつ一色でした。続けざまに、週刊誌で"かつしん"の記事を目にし、そのときにも"とんかつ"が頭に浮かびます。
飛んでひにいる夏の虫→とんかつ。
くれないの豚→とんかつ…。
それらしいなにかを目にするたびに、とんかつが頭に浮かびます。新聞のTV欄で、"せかいかれいどすこうぷ"が"かとうれいこドブス"見えてしまうようなこの錯覚。とんかつ、とんかつ…。

　だめだ、とんかつしかない。今晩はとんかつだ。心の中ではそう決まっていても、悩みに悩みます。休めの価格設定で知られる「ツーチャン食堂」という日本料理屋で食べたとしても、その値段は2ドル（8,000Riel）以上します。1,000Rielから1,500Rielほどで、腹いっぱい食えるこの町で、果たしてその6、7倍の値段もする"とんかつ"を食うということはいったい…。費用対効果について考えてしまいます。つまり、とんかつ一食に8,000Riel使うことで、おれはその値段に相応した満足感を得ることができるのかと。わけも無く、グラフなんぞを書いてみようとする俺がいます。なんやら放物線というのか？、中学生か高校生くらいに習ったような気がするグラフが頭に浮かびました。

　コンピュータを駆使した詳細な分析の後、仮に8,000Riel払い、さらにとんかつを食った後の俺の気分は、「8割方満足！」といった結果が弾き出されました。

　早速、宿の"ゆうすけ"さん、"ささ"さんなんかを誘い、「ツーチャン食堂」に向かいました。宿から食堂までは、徒歩で10分ほど。
「とんかつはいいやねー」
「とろろも気になるねー」
「生姜焼き定食も侮りがたし」
などと、頭の中は"美味い、腹いっぱい"の妄想で覆われています。

　宿に入ると、ベトナム人なのかカンボジア人なのかわからんが、若い女性が笑顔での対応。
「いらしゃいませ」
ちょっと舌足らず日本語がかわいらしいです。
「メニューです」
あー、迷うぜー。とんかつ定食にすべきか生姜焼き定食にすべきか…。
「ごはんはお代わり自由です？」
「はい。そです」
「とんかつと生姜焼き、どっちがおいしいですか？」
「とんかつね…」
やっぱ、今日一日中頭にその姿を描いていたってことで、やはり"とんかつ定食"をオーダーすることにしました。そして、ゴルゴ13を読みながら待つこと十分、ついにお披露目です。
「パパパパーン、パパパパーン…」
「お待たせしました！新郎新婦の入場です！」
そんなアナウンスに導かれるように、やってきましたとんかつ定食。どーんと2枚のかつが、堂々とお皿に載り、傍らには、味噌汁、おしんこ、ライス、そしてキャベツ。
「やーやー、キャベツやらおしんこが日本人の心をくすぐるもんだねぇ」
そして、キャンドルサービスをぶっ飛ばして、まずは、「かつ入刀」です。2人の力をあわせる必要も無いので、一人でかつにナイフを入れます。
「ぐえー、あふれる肉汁」
「キース！、キース！」
友人達の手拍子に合わせながら、かつとのファーストキスを試みました。
「やべー、ころもさくさく、中しっとり」
美味い…。
まずはかつを全体量の10%ほど、そしておしんこのみで、ごはん一杯目を完食です。幸せとはまさにこのこと。ゴルゴ13を読みながら、ニコニコ顔で食事を続けます。
「おかわりです」
「おかわりです」
「おかわりです」
飯を4杯食って、かつも食べ終え、そして結婚式も無事終了しました。ご祝儀は2ドル、引き出物代わりの傘を手に、店に来るときには降っていなかった雨の中、宿へと戻りました。店での滞在時間は、約2時間。その間に、お茶もたくさんお代わりし、ゴルゴ13も5巻ほど読み終えました。

　引き出物代わりに店から借りて来た傘を返しに、今日も「ツーチャン食堂」に行かなければいけません。今日は生姜焼き定食を食ってこようと思っています。

　あや！、落ちが無い。

　バイバイ。
　

- 本日の出費 -
1Riel(リエル)=\0.034
US$1=4,000Riel

- 移動費 -
From : To : 手段 : 値段 : 所要時間 :
　

- 飲食費 -
　

- 雑費 -
ERA * 1 (たばこ) 20本入り - ラオスで1カートンまとめ買い 2,000Kip
宿代 6,000Riel
更新地 : Phnom Penh （ Cambodia ）
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