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旅日記


2003年08月05日(火)
プーケット
曇り
- パトンビーチにて散財。物売りになる -

 
 こんにちは。

 実は今日は8月6日です。昨日8月5日の日記を、さも当日に書いたらしいような形で書いておきます。(←って、ここで次の日に書いたこと、ばらしてんじゃん)

 午前11時、連日のスタイルを崩すこと無く、ビーチ近くの「BIG1」というスーパーマーケットでビールを一瓶(ビアチャンというアルコール度数6.4%のビールの大瓶)買って、ビーチへと向かいました。そしてこれまたいつものごとく、ビーチでジュースやらビールを売っている店に向かい、厚かましくも栓抜きを借りて、持ち込んだビールのふたを空けます。
「また朝からビールかい!」
そんな言葉を発したげな店の主人が、俺にウィンクを飛ばします。
「ごめん、おじちゃん。ここで買うと高いからさ…、だから連日スーパーで買ってくるわけよ。ごめんね…」
申し訳なさそうな表情とともにそんなことを思いながら、おじちゃんの前を後にしました。

 今日もなかなか気分が良い! 曇り空ながら、潮風が気持ち良いです。三度、連日のスタイルを崩すこと無く、ビーチへと降りるコンクリートの階段で一人ビールを飲み始めました。その横で、観光客相手のマッサージを生業とするおばちゃんが、俺に笑顔を向けてきます。実は、8月2日以降、この場所で毎日欠かさずに一人酒盛りをしていることもあって、近辺に数人の顔見知りが出来ていたのでした。ビーチで寝転がる椅子(寝そべることのできるパイプ椅子のこと)を借りることも無しに、毎日3、4時間くらいここでだらだらとしている俺。椅子を借りない奴なんて皆無のこのビーチで、しかも階段にて毎日酒盛りをしている俺、そんな俺は結構目立つのでしょう。いろんな奴が、笑顔で俺の前を通り過ぎていきます。

 ビールを半分くらい飲んだ頃だったでしょうか。雨季の、しかも曇り空という、ビーチで商売をする人々にとっては嬉しくないこの状況のなか、暇を持て余した椅子貸し係りのおじちゃんがやってきて、俺の横に座りました。彼とは連日言葉を交わしていたこともあって、互いを名前で呼び合うくらいの関係が出来ていました。
「ヒロシ、今日もビアチャンだね」
「うん、美味いよ。最高。今日もお客さん少ないね」
「まぁ、まだ午前中だしね…」
世間話をしているうちに、ジェットスキー係りのおにいちゃんもやってきました。
「おお、また飲んでいるや!」
程なく、俺のファーストビール(1本目のビール)が空になりました。
「ちょっと、ビール買い足しに行ってくるね」
「わかった。おまえの荷物は見ててやるから」
「ありがとう。でもね、その手提げ袋の中身は、Tシャツと穴のあいたタオルだけなのだよ。わっはっは」
何でかわからないけれど笑い声を残し、上半身裸でスーパーマーケットへと向かいました。そして「BIG1」の店内で、冷房にあたって凍えそうな体をさすりながらビールを2本買って、さらにまたまた、商店でフタをあけてもらった後、ビーチ前の階段へと戻りました。
「お!2本も買ってきたのか!」
「ユップ(おっちゃんの名前)も飲むかなと思ってさ」
「いやいや、俺は仕事中だからだめだよ」
「そうか、残念。まぁ、2本くらいは何てこと無いから俺が飲むさ」
彼が巻いた"巻きタバコ"を俺が吸い、俺のカンボジア製タバコを彼が吸い、時折海で泳ぎ(実際は、おしっこをしに海の中へ行っていただけなのだ)、世間話をし…、程なくビール2本が空きました。
「あぁ、もうだめだ。今日は何か良い気分だ。ユップ、俺またビール買いに行ってくるわ」
「そうか…」
ユップは少し悩んでから言いました。
「ヒロシ、俺にも買ってきてくれ」
彼はそう言うと、自分の財布の中からお金を出すのでした。
「何、やっぱ飲みたいんじゃん。OK、買ってくるよ。お金は後でいいよ。それと、あのおばちゃんとかもビール好きかなぁ」
「あぁ、彼女はビール大好きだよ」
「そっか、わかった」
何かワクワクしてきました。久しぶりに大宴会の予感! ここプーケットに来てからは何か無性に寂しさを感じる瞬間がたくさんあって、そのせいか、この「大宴会の予感」は俺の心を高揚させてしょうがないのでした。

 「たが」が外れてしまった俺の心はもう自分でも制御できないのでした。今日はポケットの中に1,000バーツ(3,000円)札が入っていることもあって、気持ちにも余裕がありました。なぜだかわからないけれど、3本で十分なはずのビールを6本も買い込みビーチに戻りました。
「お金はいらないよ!俺のおごりだ〜!みんな飲め飲め〜!」
ユップ、マッサージのおばちゃん、マッサージを受けている西洋人のおばちゃん、ジェットスキー係りのお兄ちゃん、みなにビールを配ると、一人気勢を上げて叫びます。
「かんぱーい」
あっはっは、あほだ俺と思いながらも、皆のところを廻って、彼らのボトルに俺のボトルを打ち当てます。そこからは、「飲めや歌えや!」の大宴会。マッサージを受けている西洋人のおばちゃんの旦那まで参加して、総勢5、6人で、昼間っから宴会です。
「飲め飲め!歌え歌え!」
既におなかいっぱいの俺は、彼らのビンに自分のビールをがんがん注ぎ足します。おばちゃんは、ビールを飲みながら、西洋人のおばちゃんにマッサージをしています。どこからか、誰かが「するめ」やら、「ゆで卵(うで卵?)」、「チキン」なんかを買ってきて、そんなのを肴に宴会は盛り上がっていきました。そしていつしかビールが無くなり…、またしても俺はスーパーに走るのでした。なぜか、7本もビールを買い、舞い戻ってきた俺、
「またしても、おごりだ!飲め飲め!歌え歌え!」

 15時頃、もうべろべろ。飲みすぎで少し気分が悪くなり、ホテルに戻ることにしました。
「みんな、俺、帰るよ〜」
ユップが言葉を返します。
「帰るのか?俺の仕事が終わってから、俺の家に連れて行って、ウィスキーを飲ませようと思っていたのに…」
「ごめん。今日は飲みすぎでもうだめだ。帰るわ」
「そうか、じゃぁ、また明日、ここでな」
「うん、また明日ね」
ホテルへ向けて足を進めたときでした。
「ヒロシ、ビールが2本残っているぞ。持って帰れ」
「えー、俺要らないよ。あげる」
「いやいや、おまえのビールだ。持って帰れ」
「うーん、そうだ。このビール売ってくるよ」
べろべろに酔っ払っていましたが、散財したことを少し悔やむくらいの気持ちは有りました。
「少しでもマイナスを減らさなくては…」
なんだかわからないうちに、ビールを2本抱えて浜辺をうろつく俺がいました。
「ドナドナドーナードーナー、ビールを載せてー」
大声で日本語でドナドナを歌いながらビールを売り歩く俺。
「ドナドナドーナードーナー、ひろしがゆーれーるー」
ふらつく足元…、そのときの俺は本当に揺れていました。

 「Beer! Beer! Cold Beer! 30バーツ!」
あやしい日本人がビーチでビールを売ります。西洋人、タイ人、韓国人、ろれつのまわっていない英語で、いろんな人に声をかけました。しかし、「No Thanks」の嵐。
「ビア!ビラ!ビール!」
「テイスツグッド!アロイ!ハオツー!おいしい!」
何語かわからんけれど、「おいしい」を連呼します。
「Even in Super Market, It's 35バーツ!」
「It's special price! Only 30 バーツ!」
10分ほどがんばってみましたが、全く売れません。そこで、ビーチで宴会をしていたタイ人グループの中に半ば強引に入っていきました。
「Are you happy?」
「I think you guys need a new beer!」
「Cold Beer! 30バーツ! In Super Market, It's 35バーツ! アロイアロイ!」
「Why are you selling a Beer?」
「I bought many many beers. But I'm full now. I don't need more」
「Ok, How anout 25バーツ?」
「No!」と俺。
「We don't need it」
「Oh, okok, 25バーツ. It's Ok」と俺。
なんで35バーツで買った冷え冷えビールを25バーツで売らにゃならんのだ。足代やらも考えたら、40バーツくらいが妥当だろうよ。でもしょうがないや。結局、1本売れ、もう1本は売れ残りという結果に。

 この後の記憶は定かでありません。多分16時頃に宿に帰ってきたのだと思うけれど…。

 今朝(8月6日)の午前8時。起床してビビリました。ベッドの横には、新品の蚊取り線香、洗濯洗剤、袋ラーメン、そしてビンビールが1本並んでいました。
「なんじゃこりゃぁ。ビールは持ち返った記憶があるけれど、他のは何なんだ?確かに買いたかった品ばかりだけれども…」
「ん?洗濯物も取り込んである!」
「なんだ?髪ががさがさじゃない。どうやらシャワーを浴びた形跡もあるぞ!」
「おっ!海水にぬれぬれだったはずのお札がベッドの下に並べられているぞ!」
「海水で汚いはずの海パンまで洗ってある!」
多分、恐らく、いや、間違いなく、自分自身の仕業なのです。でもね、全く持って覚えていないのだ。以前の日記にも書いたことがあるかもしれないけれど、俺って、よくこういった状況に陥るのです。たとえば、友人と飲み会をして、皆べろべろに酔って、酔っ払った数人の友人は俺の家に泊まることになって…。翌日の朝、「ムニャムニャ」っと目を覚ますじゃないですか。すると、俺の傍らにはコンビニ弁当の空き容器があったりして、
「誰だよ、こんなん食ったの。食った後はかたずけろよ!」
「ムニャムニャ」っと起き出した友人たちにも聞いてみます。
「コンビニ弁当食ったの誰?ごみ箱にすてろってば」
「は?昨晩、おまえが食ってたよ…」
みたいなさ。

 そろそろ、まとめないと。昨日は、ビールを1+2+6+7=16、なんと16本も買ってしまいました。35バーツ*16本=560バーツ(1,680円)!!。1,500円以上も使ってしまった…。はぁ…。まぁ、いいや、楽しかったし。そのせいか、何か今日は元気があるし。

 俺、これまでの旅行中もそうだったけれども、時折寂しくなって、こういったふれあいがあった後には、また元気を取り戻して…、いつもそんな感じです。

 そんなところかな。

 では、また。
 

- 本日の出費 -

1B(タイバーツ)=\3

- 移動費 -

From : To : 手段 : 値段 : 所要時間 :
 

- 飲食費 -

袋ラーメン (朝食) 5B
ビール * 16 560B
袋ラーメン 6B
 

- 雑費 -

ARA * 1 (たばこ) - カンボジアでまとめ買いした R870
宿代 150B
洗濯洗剤 ?B (記憶無し)
蚊取り線香 ?B (記憶無し)

更新地 : Phuket ( Thailand )

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