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雑記


2003年05月05日(月)
アレッピー
- インドの女性優遇制度に文句あり -

 
 筆者は、インドの女性優先制度に、強い違和感を感じている。

 現在、インド国内には、多数の「女性専用…」が存在する。鉄道、バス関係だけを見てみても、女性専用切符購入窓口、女性専用待合室、女性専用車両、女性専用席、女性専用出入口と、実に多彩な「女性専用…」が存在する。これらの設備に対して、また男性への対応に対して、こういった部分に関して、強い違和感を感じると共に、同時に不満も感じている。

 たとえば、先日まで滞在したコーチンのバスステーションを例にしてみると、女性専用待合室にはエアコンが設置されているが、一般待合室(男性用)には、もちろんそういった設備は無い。なぜなら、一般待合室は、屋根がついているだけの屋外直結の場所にあるからである。待合室が"室"で無い限り、当然エアコンなど設置出来るはずも無い。女性トイレは無料で利用できるのに対して、男性トイレは料金を支払わなければ利用できない。これに関しては全く理解できない。どういった理由から、このようなシステムが採用されているのか、はなはだ疑問である。どこの世も、家庭の財布を握っているのは女性である。「男性に比べて女性のほうが貧乏だから…」、そんなふうには思えない。また、誰も並んでいない女性専用切符窓口に行ったところで、切符購入はおろか、運行スケジュールに関する質問にも答えてくれない。ただ、私が女性でないという理由だけで。そして、数十人の男性が並ぶ窓口へと戻り、数秒の質問のために、数十分間、列に並ぶのである。なんたることだ、この設備の違いと、運営の柔軟性の無さ。そして、バスの女性専用席に関して話をしてみると、たとえ、そこに誰も座っていなくとも、男性がその席に座ることは許されないのである。そして、女性専用席は空っぽのまま、男性たちは、込み合った列車、バス内で、立ったまま移動するのである。なぜなら、そこに座ることは、ルール違反(車掌に怒られる)だからである。まぁ、この程度なら許せるものかもしれない。ただ、今日、こんな光景を目撃した。アレッピーの市バスの中でである。女性専用席に座っていた杖をついた老人を立たせて、若い女性が、その席に座ったのである。なんたることか。何が、女性専用シートだ。彼女らよりも優遇されるべき老人をないがしろにしているこの状態。この現状に強い違和感を覚える。

 元来、こういった「女性専用…」といったものは、「女性差別が残る社会においては、女性に対し、男性と同程度の権利と地位を与える」、また、あるときは「男性に比べ体力的にも弱い女性に対してへの配慮」といったことから生まれてきたもの捉えて良いだろう。もちろん、男性も女性も、絶対的に平等である。未だ、女性の立場が男性に低い?インドにおいては、こういったシステムが必要なことも理解できる。そして、平均的に男性よりも体力の無い女性は優先的に席に座ることができたり、殊にインドでは、切符購入や列車、バスの乗り込み時において、男性との押し合い圧し合いの中で不利になってしまう女性に対して、専用窓口や専用入口が必要なことも理解できる。

 もちろん、こういったシステムのいらない世の中が一番である。男女お互いが、様々な場面で配慮しあいながら、生活していきたいものだ。体力満々の女性は、逆に疲れていると思われる男性や老人に配慮することも必要だろう。

 インドのこの「女性専用…」。そんな筆者の理想からは全くかけ離れたものである。何が、女性専用だ。インドの、この柔軟性の無い「女性専用…」、女性だけでなく、弱者に対して優しい制度へと転換していってほしいものだ。また、多少の柔軟性を持って、運営していってもらいたいものである。

 いやー、硬い調子で書くと、疲れるものだね。大した意見でもないのに、硬い調子で"述べて"みました。何せ、雑記だからさ。日記じゃないから。

 
更新地 : Alleppey ( India )