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旅日記 |
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2003年07月02日(水) バン・ヴィエン 晴れ時々雨 - 母上様、お元気ですか? - |
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サバイディー。 またまた、やっちまいました。今日もルアンパバーンに向かうはずだったのに、起きてみたら、既に正午12時。9時くらいに一度起床したのに、「もう10分だけ…」と、二度寝したのが原因でした。結局ルアンパバーン行きバスを逃してしまいました。 まぁ、しょうがないや。面倒くさがり、だらけ人生の俺にとっては、ありがちなことです。 って、おいおいまた今日もかい。2日連続はまずいだろう…。なんでこうなのさ。だってさ、だってだって、寝たいんだもの。しょうがないでしょ。人間には、三大欲と呼ばれるものがありますが、俺にとってはなんといっても"寝る"が一番。 「もう寝る!」 そういってまどろんでいる時間が最高。英語で言うと、Goodestってやつだ。(←突っ込まないで!) くよくよしていてもしょうがないので、14時、村の北側に散歩に出かけました。宿の近くにあるインド料理屋の前ではポンディシェリー(インド南東部の町)から移住してきたというインド人が、俺に向かって手を振ってきます。俺がポンディシェリーに滞在したことがあって、そのことについて、一昨日、昨日と彼と会話したこともあって、親近感を持ってくれているのでしょう。「ワナカム」(タミル語でこんにちはかありがとうのどちらか。忘れた)と言いながら、手を振り返します。こんなとき、「インド滞在中に、もっと言葉を覚えておくべきだったなぁ」と後悔してしまいます。英語での私たちの会話が、彼のことばである"タミル語"でできたらもっと楽しいのになぁ…。ところで、散歩中は小さなお寺で休憩したり、小道に入ってみたりと、人々の生の生活ぶりを覗くべく、いろいろなところに潜入してみました。砂利の粗末な道に入っていくと、鶏(にわとり)が猫に追いかけられていたり、はだしでこども達が駆け回っていたり、そしておばちゃんたちは土間に座り込んで、芋の皮むきに専念しています。おじいちゃん達は、上半身裸で、たばこをふかしながら、談笑しています。 「あぁ、なんだか懐かしいや」 俺が生まれた頃の、俺の田舎もこんな感じだったなぁ…。赤とんぼが舞う中、稲刈りが終わった田んぼの横の"はぜば"で、俺のおばあちゃんが干しかぶを干していた(大根の輪切りを日干しする作業)り、親父とお袋が、はぜばに組まれた木製の枠に稲穂を吊り下げたりしていたっけ。おじいちゃんは、いい風吹くはぜばの横に座って、たばこを吹かしながら、そんな様子をにこにこと見ていたっけ。俺はおばあちゃんの並べた大根を、いたずらして裏返してみたり、稲刈りの終わった稲の根の部分を眺め、そこに虫の幼虫を探したり、そんなことをしていたっけ。青空が綺麗で、緑の山が綺麗で、風が気持ちよくて、数百、数千もの赤とんぼが頭上をかすめ、雲に手が届きそうだって、空に向かって手を掲げて、田んぼを走り回ったっけ。 今となっては、おじいちゃんとおばあちゃんは天国に行き、稲穂の乾燥作業は機械任せになり、そんなふうに俺の周囲や田舎も変わってしまいました。小道に入って、この村に住む人々、自然、そんなものをしゃがみこんで眺めていると、ふっと時間が止まり、道で騒ぐこども達の声も遠くなり、郷愁と懐かしさと、様々な思いが入り混じり、少ししんみりとしてしまいました。おじいちゃんとおばあちゃんは天国でも幸せにしているかなぁ。何か、日記を書いていても、鼻水がしょっぱいや。 19時頃、夕飯を食いに出かけました。「だから、ピザも食いたくないし、パスタも食いたくないっつーの。アメリカロックも聴きたくないし、踊りたくも無いっつーの」ってことで、氾濫するイタリアンレストランでビール飲みながら騒ぐ西洋人を横目に、ファーなるベトナムのフォーに似た感じのラオスの麺料理を食べに、近所の小さな店に入っていきました。仮ににここがイタリアならパスタも食うしピザももりもり食ってやるさ、ここがアメリカなら、ロックやらジャズも聞きに行きたいし、クラブにも行きたいさ。でもココはラオスだぜ。毎日イタリアン食ってて楽しいかい?。さて、店内に客は俺一人、その傍らでは、食堂を経営する家族が寝そべってTVを見ていました。2人のこどもがTV画面に食い入るようにしてアニメを見ています。 「ん?何か見覚えのある絵だぞ」 なんと! 画面上では"しいえもんさん(しいうえもんさん?)"と"和尚"がなにやら会話中。 「一休には、ほとほと困ったものよのぉ」 みたいな感じです。おーおー、「母上様、お元気ですか?」じゃねえか。恐らく、タイで放送されているものが、ここラオスでも視聴できるのでしょう。とりあえず、画面中で何が起こっているのかも把握できないまでも、私も食い入るように見つめます。 「あートラの屏風がなつかしいぜ」 飯も食い終わる頃、終わりの歌が流れ始めました。 「おっ!歌は吹き替えされていないぞ。日本語のままだ」 勘定もそっちのけで、TV画面にあわせて、日本語で歌ってみました。 それまでTV画面に注視して、俺のことなんかそっちのけだったこども二人が、後ろから流れてくるパーフェクトな歌に、目を丸くして振り返ります。 「ふっふっ、こんなぁもんじゃないぜ」 ボリューム上げて歌ってみます。こどもたちも、なんとなく日本語で覚えているのか、一緒に歌いだします。でもまだまだだな。発音がなっていない! 「それではまたお便りします」と良く俺。 「ほれでははたたよりひまふ」とこども達。 でも、最後の「一休…」だけは双方完璧。合唱でした。 ということで、一休も合掌、日記も合掌。おやすみ。 |
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- 本日の出費 - |
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1kip(ラオスキープ)=\0.01 US$1=10,530kip |
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- 移動費 - |
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- 飲食費 - |
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- 雑費 - |
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更新地 : Vang Vieng ( Laos ) | |||||||||||||||||||||||||
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