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旅日記


2003年08月01日(金)
プーケット
晴れ
- さらばプノンペン、さらば友たちよ -

 
 こんにちは。

 やーやー。今日プーケットに到着しました。久しぶりに旅行者を演じるのは、正直とてもしんどかったです。重いバックパックを担いでの移動、面倒くさい宿探しと値段交渉…。少し前まで連日行っていたこういった作業が、鈍ってしまった体と心にこたえました。

 久しぶりの旅行者…。プノンペンの「サダゲストハウス」では、そこにだらだらと3週間以上も滞在したこともあって、既に主(ぬし)扱いされていました。3週間の滞在で主になれる宿も珍しいけれど、カンボジアはビザの関係もあるためか(ツーリストビザの有効期限が通常1ヶ月のため、多くの人がビザの延長することなしに1ヶ月以内に出国していくのだ)、2、3ヶ月といったある程度の期間をだらだらと過ごしている旅行者がとても少ないのです。そんなわけで、俺が主のような存在に…。でもしかし、この主は、全く頼りがい無しなのでした。

「ひろしまさん(俺のこと)、近くにお勧めの飯屋はありますか?」
「ごめん。安い&まずい(俺にとっては美味い)とこしか行ってないから、わからん」

「マーケットで〜を買うといくらくらいですかね?」
「ごめん。マーケットいったこと無いから、わからん」

「ひろしまさんは、饒舌になっていろいろ話すときと全く話さないときがありますよね」
「ごめん。基本的に話すのが面倒くさいから、あんまり話さないのだ。聞いてるのって労力使わないし、楽しいよ」

「主のくせに何故何も知らないんですか!知っていることもいろいろ教えてくれなきゃだめっすよ。いっつもビール飲んでだらだらしてたらだめっすよ!」
「だよね。でも外に出るのも、そして話すのも面倒臭いんだもん。いっつも暑いしさ…。」

こんなんで良いのかね…の毎日でしたが、今日は心機一転、そう!今日は「旅行者に戻る日」だったのです。ってことで、朝から荷物まとめやヘアスタイリングに大忙し。

「ひろしまさんがジーパンはいているよ!スニーカーもはいているよ!髪にジェルつけてるよ!今日は朝食がわりのビールも飲んでいないよ!いつものぐうたらが嘘みたい!」
「バカいうな〜。コレが本当の俺の姿なのだ〜!」

 午前8時、宿のスタッフである「サン」のバイクのケツに乗って、宿を後にしました。いざ、宿を出るとなると、本当に寂しいものです。サダ、ヒロ、サン、チャー、チャーの妹(←5人は宿のスタッフ)、良い人に恵まれてとても楽しかった。27歳?の実業家兼宿のオーナーである「サダ」は、いつも冗談ばかり。宿代やらビザ代も割り引いてくれたり、車でドライブに連れて行ってくれたりと、友達のような付き合いをしてくれました。筋肉ムキムキの元政治家のボディーガイドである「ヒロ」は、バイクで俺をいろんなところに連れて行ってくれました。彼に連れられての連日の客引き、楽しかったです。「サダ」の弟で、大学&日本語学校と毎日勉強に大忙しの大学生「サン」とは、最もいろいろなことを話したでしょう。いつも能天気な「チャー」とはたびたび賭けトランプで盛り上がりました。笑顔がキュートな「チャーの妹」には、いくつかのクメール語を教えてもらいました。そして、宿に滞在していた数々の日本人旅行者達。これまで会った日本人旅行者の中でも、そのキャラクターは俺の中でNo.1にランクすることができる「ポリスカウ」さん。彼の数々の問題行動は、俺を毎日ハラハラさせてくれました。さらに、その「ポリスカウ」さんを盛り上げてくれた「トモくん」。そして、一緒にアンコールワット廻りをした「かつらさん」。いろんな人に出会いました。とっても楽しかったさ〜!他にもたくさんの顔なじみができました。毎日欠かすことなくビールを買いに行った小さな商店のおっちゃん、宿の隣にあるクレープ屋のおにいちゃん、宿近くの小児病院の前でいつもだらだらしているおにいちゃん。顔なじみのプノンペン市民もたくさんいたのでした。そうそう、商店のおっちゃんには、昨晩うそをついてしまいました。
「おじちゃん、今日はタバコを1カートン買いたいよ」
「あれ?いつも1箱ずつ買っているのに何故?」
「実は、明日からプーケットに行くよ」
「そうか、だからまとめ買いか。今日はビールはいいのかい?」
「今日は、タバコだけで良いよ」
「それで、いつ戻ってくるんだ?」
「なんで?」
「いや、重要な顧客がしばらく来てくれないと困るからさ」
「多分…、そう、一週間後くらいに戻ってくるかな」
「おー、そうかそうか!じゃぁ、一週間後には、またビールをたっぷり用意しておかないといけないね」
「う、うーん」
おっちゃん、ごめん。もう戻ってこないよ。でも俺は「もう戻ってこない」なんて言えないよ。そんな笑顔で尋ねられたらさ。

 プーケットの空港に到着したのは15時頃でした。所持しているガイドブック(旅行人の「メコンの国々」)にプーケットの情報が掲載されてなかったこともあり、プーケットの情報は全く無し。とりあえず、空港内にあったインフォメーションらしきところで無料の地図を入手するとともに、ビーチまでの交通手段、安宿の密集地帯等について質問してみました。
「プーケットの安宿地帯はどこですかねぇ?」
「安宿なんて無いわよ。なんたって、ここはビーチリゾートだから!」
「はっ。ホテルでなく、ドミトリーとか、そういった部屋のあるゲストハウスくらいは有るでしょう」
「昔はあったみたいだけれども、最近は聞いたことがないわねぇ。ちょっと待ってね」
「はぁ」
「あった、あった。ドミトリーのあるゲストハウスのパンフレットが一つあったわよ!」
「まじっすか?教えてください」
「うーんとね、場所はパトンビーチの近くで、値段は一泊250バーツよ」
「は?ドミトリーで一泊250バーツですか?バンコクだったら、プール付きのホテルに泊まれますよ!」
「だから、ここはプーケットだから」

ここプーケットでは、ドミで250バーツ、シングルだと500バーツくらいが最低ランクとのこと。
「あー、だめだぁ」
「とりあえず、ホテルでなく、ゲストハウスなんかがたくさんあるビーチがどこなのか教えてください」
「うーん、パトンビーチかな」
「パトンビーチよりもカロンビーチが安いって聞いたのですが…」
「カロンは高級リゾートホテルしかないから、その情報は間違っているわね」
「そうっすか〜」
その後、タクシードライバーやらにも聞いてみましたが、皆、一様に「パトンビーチに行け」との答えでした。というわけで、空港前の道路にて乗合タクシーを捕まえて、パトンビーチを目指したのでした。40分後、パトンビーチ辺りの良くわからないところでおろされ、よくわからないまま近辺を歩きます。埒があかないので、なにやらドデカいホテルの中に入っていき、レセプションの人に聞いてみました。
「すんません。ここに宿泊するつもりは無いのですが、質問しても良いですか?」
「何?」
「このあたりに、安いゲストハウスなんかはないですかねぇ?」
「いくらくらいの?」
「出来れば、150バーツとか200バーツくらいの…」
「裏の方に行ってみると、いくつかゲストハウスらしきものがあると思うけれど、150は無いと思うわ。300バーツくらいが最低でしょうね」
「ありがとう。行ってみます。良い一日を!」

 それからがつらかった〜。バック担いだまま1時間半くらい歩いて、もう値段を尋ねたホテル(ゲストハウス)の数は10件以上でした。
「最も安い部屋が一泊500バーツよ!」
「エアコン無し、ファンの部屋が一泊400バーツよ!」
そんな言葉を連呼されながら、ボロそうな建物を順番に廻りました。そして!終に見つけたのです。

プーケットの裏通りを歩いているとき、一人の男性が英語で話し掛けてきました。
「どこ行くの?」
「今、部屋を探しているの」
「いくらくらいの?」
「200以下」
「そこあたってみれば?多分200くらいだよ
「本当?行ってみる!行ってみる!」

早速建物内に入っていき、お姉さんに尋ねました。すると、ツインルームで一泊200バーツとのこと。連泊すれば150バーツにしてくれるというのです。
「シングルは無いのですか?」
「ツインだけれども、シングルとして使って良いわよ」
「部屋を見せてください!」
「いいわよ」
キーを受け取り、階段を登った後、部屋へと到着しました。共同のトイレ、水シャワールームはなかなか清潔です。部屋の中もしっかりと掃除がされています。ファンも問題なく動作するし、窓の鍵もしっかり閉まります。コンセントもあります。
「うん、気に入った!泊まります」

チェックインした宿の名前は、「Patong Back Pack Inn」。この宿、なかなか良いです。一階がレストランになっているのだけれども、そのレストランが観光客相手ってよりも地元民相手に重きを置いた店らしく、20バーツで飯&おかず一品が食えるのです。しかも、しかも、スーパーで買ってきたビールを持ち込んでも全く問題なしだし、星空を眺めながらビールを飲むことができるようなテラスもあるのです。あやー、プーケットで、150バーツで、部屋も綺麗で…、こりゃしばらく滞在しそうだわ。

 部屋番号も自分の好きな数字だし、何か縁起が良いぞ。

 明日は、朝からビーチで泳ぎまくりの予定です。先ほどちらっと海を眺めてきたけれど、そんなに綺麗では無いなぁ。やっぱ、これまで数々のビーチに行ったけれど、メキシコのカンクンが一番だった!でも海大好きだから、エメラルドグリーンに輝いていなくてもOKさ。海辺で波の音を聞きながらビールでも飲み、だらだらできればそれはもう最高なのさ。

 久しぶりにシングルルームにチェックインしたこともあって、長々と書いてしまいました。

 おやすみ。
 

- 本日の出費 -

1B(タイバーツ)=\3

- 移動費 -

From : To : 手段 : 値段 : 所要時間 :
プノンペン・ポチェトン空港 バンコク・ドンムアン空港 飛行機 - 1時間
バンコク・ドンムアン空港 プーケット空港 飛行機 - 1時間
プーケット空港 パトンビーチ 乗合ミニバス 100B 40分
 

- 飲食費 -

肉まん * 1 (朝食) R1,000
アイスコーヒー * 1 (朝食) R1,500
肉野菜炒めぶっ掛け飯 * 1 (夕食) 20B
ビール * 3 (夜食) 90B
 

- 雑費 -

ARA * 1 (たばこ) - カンボジアでまとめ買いした R870
宿代 150B
タイ出国税 US$20

更新地 : Phuket ( Thailand )

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