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旅日記


2003年08月26日(火)
ニャチャン
晴れ
- Tシャツとパンツが空中で分解して、ウニとさしみとビールが胃液で分解された日 -

 
 シンチャオ。

 現在、ベトナム中部の"ニャチャン"という街に滞在中です。この街は美しいビーチのあるリゾート地としてベトナム中に知れているようなところです。もちろんそんな話を外国人旅行者達が聞き逃すわけも無く、街にはベトナム人以上に外国人観光客の姿が目立ちます。その大部分を西洋人が占めますが、少なからず日本人の姿も見られます。

 さて、24日の夜にこの街に到着して以来連日海で泳いでいるのはもちろんですが、夜もある飲み屋に連日通っています。そう、それは、"おとうさんカフェ"という店なのでした。この店、東南アジアを旅行する日本人には有名な店で、"地球の歩き方"やら"旅行人"にも掲載されているお店です。とても小さな店で、店内に客席は無し。4つほどのテーブルを強引に歩道に出して営業している(路上営業は本来は違法らしく、警官が来た際には袖の下を渡すような仕組みになっている)ような店なので、15人もお客が来れば店は一杯になります。ここは日本人や日本食好きの人々(ベトナム人、西洋人)が集まるような店で、店内にいる誰とでも気軽に会話ができるような素敵な店です。加えてビールやチューハイやらの値段が安くてこれにも大満足。なんせ、普通の商店で買うのとほとんど値段が変わらないんですから…(BGIビールが5,000ドン)。経営者はどんな人かというと、自ら"社長のおとうさんです"なんてふうに名乗るような楽しいおじさんです。年齢は50歳くらいでしょうか。元商社マンの彼は、退社後にシクロ(3輪車)で中国大陸縦断?や日本縦断などを実行した元旅行者でもあります。そして現在は、美しいビーチのあるこのベトナムの田舎町でカフェ(居酒屋)を経営しています。居酒屋は相当な薄利らしく、彼に言わせると"居酒屋はただの趣味で、将来はゲストハウスを経営したい"とのことでした。

 カフェではたくさんの人と知り合いになりました。特に"ダ・ラット"在住のもりもと夫妻には大変お世話になりました。夫妻は、旦那様の定年退職とともに、第二の人生を求めてここベトナムに移住してきたのでした。口数の少ないクールな旦那様、話し好きの奥様という取り合わせのこの夫婦は、何か非常に具合の良いコンビネーションで、「おとうさん、もう少し食べたら?」、「…。かあさんが食べたらどうだ?」、「おとうさんにこのお刺身をあげるから、代わりにおとうさんのビールをもらうね…」なんてやり取りを聞いていると、「あやー、良い夫婦だ」なんて風に感じてしまうのでした。夫妻とは24日の夜に相席させていただいたのが縁で、その後は連日刺身やらビールをおごっていただく毎日でした。連日ご馳走していただきありがとうございました。

 そんな感じの飲み屋の席で、昨晩、"おとうさん"と"店で仲良くなった客6人"+"俺"の計8人で「12人乗りのワゴンをレンタルして明日は滝やらに遊びに行こう」との計画が持ち上がりました。そして今日はみんなで遊びに行ってきたわけなのでした。

 今日のことについては何やら長くなりそうなんで、時間を追って箇条書きします。


 9時 - おとうさんカフェに集合。なぜか俺だけ大荷物持参。遠足の日に、「昨日は皆体操着でくるっていってたじゃんか!」、実際に体体操着で来てみたら、「体操着を着ているのは俺だけで他は私服だった」みたいな感じを受ける。大荷物の中身については後に解説。


 10時 - ニャチャン市街から車で1時間ほどのところにある"滝"に向かって出発。昨晩、滝経験者から聞いた話によると、この滝はベトナム人、西洋人にも人気のポイントらしくて、常時たくさんの人がいるとの事。またこの滝は見るものではなくて、体験するものであるとのこと。2m、6m、8m程の高さの崖から滝壷の中に飛び降りることができるらしく、それが良い度胸試しになるとのこと。飛び込む際にはギャラリーに向けてパフォーマンスをするのが最近の流行とのこと。


 11時 - 滝到着。2m、6m、8mといった高さの岩の上から飛び込みまくり。6m、8mの崖は下から見上げるとそれほどの高さではないように感じられるのだけれども、実際その崖の上に立つと、とてつもなく怖い。ジャンプが足りないと岩に頭をぶつける可能性もある。結局、「度胸試しで負けるわけにはいかん!」とのことで、男連中は全員飛び込んだ。とっても爽快でした。ところで、ベトナム人のギャラリーがたくさんいるとのことで昨晩必死になって作った小道具を用いるも、結局ギャラリーは全くいなく、内輪だけの盛り上がりで終了。「遊びに行こう計画」が昨晩の深夜に決定し、今日は朝の9時集合。素材を買いに行く時間も無かったため、あまり楽しいネタは出来ず。昨晩バックパックの中身をひっくり返し、ネタになりそうなものを探すこと30分。その後小道具作成に1時間半。結局、俺の用意した小道具は以下の2アイテム。

1.洗濯紐、古いTシャツ、セロファンテープを用いた、まえ、うしろが空中分離するTシャツ
2.洗濯紐、古いパンツ、セロファンテープを用いた、まえ、うしろが空中分解するパンツ

 …そんなこんなで結局下ネタなんでした。そして披露の段取りはというと、

<仕込み>
 2mの崖から、少し怖がりながらも飛び込み成功。この時に"怖がり屋さん"をアピールしておきます。「俺は弱虫なんだぜー」をアピールしときます。

<実行>
 6mの崖へ友人に命綱を携えてもらった状態でのぼります。命綱はあらかじめTシャツの背中側に用意しておいた穴にくくりつけておきます。
「あー6mは怖いよう。駄目だよ押したら…などといった感じで滝壷を覗き込む」
「え。でも命綱つけているし、大丈夫だよ」
ここで友人から、わざとらしく押してもらう。
命綱があるから、落ちることは無いだろうと思いきや…
「ファッサー」
あらかじめ用意してあるTシャツは実は空中分解するように出来ているわけで、Tシャツが前後に空中分解して、俺は投げ出される…みたいな感じです。
「あへー、Tシャツ切れたー。あやー」って感じで滝壷に落ちていく俺。
パンツも同様の仕組みです。

 実行した結果なのですが、ハリボテのTシャツ、パンツは何か細工が施されていることがばればれで、「あほだたきざわさん」ってな感じでした。この結果ってのは構想段階から、ある程度わかっていたことなのです。昨晩から「日本人にはあまり受けないだろうけれど、ベトナム人には受けるのではないかなぁ」と考えていたのでした。あまりにベタで、こんなネタは日本人には受けなさそうな感じがしていたのでした。ベトナム人の観客が一人もいない中、俺がそんなネタを実行して、そこで日本人の皆がびっくりしていたのは、そのネタ自体よりも、「昨晩は午前3時に解散したはずなのに、その時間から小道具を作っていたあなたとは…!」ってなことでした。実際のところ、完成段階にたどり着くまでには2時間を要しました。つまり、朝の5時くらいまで小道具作りにいそしんでいたわけです。俺としては、「そんなところに感心されても」ってな感じ。おとうさんは、「たきざわ君はあほだねぇ。サービス精神旺盛な賢いあほだねぇ」なんて言葉を発するし、同行の大阪の大学生呼称"一休さん"は、「新潟県人の気合はずごいわ!そこまでする(一生懸命作ったって事)なんて、関西人としてなんやら恥ずかしいですわ」だって。誉められているの逆なのか、よくわからん。

 そうそう、何か勉強とか"かけっこ"とかは他人に負けても平気、つーか全く悔しくないんだけれども、こういうので気後れしたり、何も出来なかったりするとすごく悔しいのです。「持ってかれた〜!」みたいな感じがして…。昔から変わってないや俺って。コンパで1時間あまり外国人留学生のフリをしていて、自分の携帯電話がなった瞬間から流暢な日本語で話してみたり、実は実家には着ぐるみがたくさん保管されていたり、会社の新年度総会でコテカ(ペニスケース)つけて同僚と出し物してみたり…、いろいろ用意して、実行して、びっくりさせるのが大好き。実は、そんな自分が結構好きだったりするのでした。

 滝壷の話に戻ります。一応、我々のグループには女性も1人いたんだけれど、まぁ「関係ないでしょう」ってことで、結局パンツ空中分解も披露して…。最後は男6人、全裸で飛び込んでみたり、パンツの奪い合いをしてみたりと、ありがちな結果になりました。何やってんだかなぁ…。

 ネタは難しいや。かつらが空中で取れるとか…、滝壷から出てきたら、俺の胸には川にはいないはずのカツオが抱えられていたとか…しかもカツオがビチビチしていたとか…。いろいろ考えたのですが、小道具を用意する時間が無く、結局こんなものに。


 13時 - おとうさんの勧めで、海の上に張り出したようなぼろぼろのレストランに連れて行かれる。「こんなレストラン本当にうまいんかい!」と半信半疑でしたが、一発目に食べたウニの味に感動。我々がウニを注文すると、水中眼鏡とシュノーケルを携えた少年が、なんと海まで取りに行くのだ。といっても天然物をあらかじめ取っておいて、海の中に沈めてあるそうな。そのウニってのは、日本で見たことのあるウニの2倍くらいの大きさか。直径15cmほどでした。生臭さはみじんも無し。クリーミーで甘くて、素晴らしいお味でした。お金持ちのベトナム人は、刺身やらウニも生でわさび醤油で食べるそうな。我々もわさび醤油で頂いたが、醤油無しでも本当に美味い。ヒカリモノやウニやいくらや、そんなものは苦手な俺ですが、このウニは美味かった。やっぱり新鮮なやつは美味いんだね。


 14時 - 昼間からビールがんがんでほろ酔い。同行していた日本人カップルの女性のほうが、新潟県加茂市出身とわかって、俺と彼女と2人で盛り上がる。実は加茂市は俺の実家の隣町なのでした。旅行者軍団の中に新潟県人を見つけるのも難しいのに(関西、九州の人が多い。東京も多い)、なんと隣町の人を発見するとは…。

 15時 - 刺身が美味い。ビールが美味い。おとうさんが持参した日本酒が美味い。刺身の残り(魚の頭部やら肝臓やら、そういった部分)部分をぶち込んだおじやが美味い。腹いっぱいになって大満足。おとうさんカフェに戻り、解散。

 19時 - 暇なんで、酒を飲みにおとうさんカフェに向かう。

 21時 - ビールを2本飲んで、おとうさんカフェを出る。「いつも閉店までいるのにねぇ」と珍しがられる。今日は少し疲れたからね。

 1時 - 現在1時。そろそろ寝ます。

 あぁ、疲れた。中途半端だけれども、どうやら今日の出来事は全部書いた。疲れたんで寝ます。


- 本日の出費 -

13,000D(ベトナム・ドン)=\100
15,500D=USD1

- 移動費 -

From : To : 手段 : 値段 : 所要時間 :
宿 おとうさんカフェ 徒歩 - 2分
おとうさんカフェ レンタカー - 1時間
海岸レストラン レンタカー - 1時間
海岸レストラン おとうさんカフェ レンタカー - 30分
おとうさんカフェ 宿 徒歩 - 2分
 

- 飲食費 -

ウニ * 2 20,000D
刺身盛り合わせ * 1 15,000D
おじや * 1 8,000D
ビール * 2 ,10,000D
 

- 雑費 -

COTAB (たばこ) 5,000D
滝入場料 5,000D
バス代 45,000D
宿代 67,500D

更新地 : Nha Trang ( Vietnum )

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