ニイハオ。
昼過ぎ、自転車を借りて観光に出かけた。といっても入場料を支払うような観光地には行っていないっていない。陽朔の東7Kmほどのところにある福利村というところに出かけた。目的は特にない。ただなんとなく東のほうに道路が伸びていたので、それをまっすぐ進んでいっただけのことだ。そこが福利という場所だったことは、そこに到着してから知った。政府の建物に「陽朔」の文字が無く、そこに「福利」というこの村の名前が表示されていた。ここ福利には見るべきものは何も無かった。だが、そんな何もないところが気に入った。レンガ造りの家々を見ていると、かつての中国をみているようだ。家の玄関扉の周囲には、赤い紙が数枚貼ってある。そこに黒文字でなにか書いてある。「平和」といった単語のみ理解できた。家が平和でありますようにとの願いがそこにこめられているのだろうか。村の中心地と思しき大木の下に腰掛けてタバコを数本吸ってから、陽朔に戻った。
夕方、陽朔の南10kmほどのところにある高田村というところに出かけた。目的は特にない。ただなんとなく南のほうに道路が伸びていたので、それをまっすぐ進んでいっただけのことだ。途中、月亮山という中腹に穴のあいた小山を見つけた。本来これを見るためには、料金を支払って入場門から訪れなければいけないらしいのだが、なんてことはない、通りかかった小道から見えただけのことなので、もちろん料金なぞ払う必要もない。高田でも特に何もすることも無く、たった一間、たぶん医師も一人で「外科」、「内科」、「泌尿器科」、「歯科」、「耳鼻科」を兼ねている病院を覗いてみたり(内部では歯科治療の最中だった)した。しわくちゃのじいちゃんが経営している小さな商店で牛乳のようなものを買い、タバコを吸いながらそれを飲んだ。「ハオツー」を連呼しながらそれを飲む俺にじいちゃんは終始笑顔だった。
明朝広州へと移動するので、早めに寝ることにする。
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