旅日記


2001年6月11日
カンチャナブリー
晴れのち大雨

-楽しい一日-

「連合軍共同地」


墓参しているうちに、目頭が熱くなりました。いろんな人に訪れてほしい場所のひとつです。
 
「日本人集合!」


左から、
俺、
ひろこさん
しゅういちさん、
まいこちゃん。

 朝9時くらいに目覚め、とりあえず、おばちゃんの所へ。今日もおばちゃんは1人で店番です。小一時間程、タイ語を教えてもらった後、食パンとミルクティーをご馳走になりました。またもや、ただ飯です。なんか、悪いなぁーと思いつつ、つい甘えてしまいます。おばちゃんがお客対応で忙しくなった11時頃、近くのレンタルサイクル屋で1日20バーツのマウンテンバイクを借り、町に出ました。

 まずは、連合軍共同墓地に向かってペダルをこぎ出しました。カンチャナブリーには、連合軍の共同墓地が2箇所あり、ここはそのうちのひとつです。ここには、日本軍の泰緬鉄道建設に駆り出され、病気や栄養不足で命を落とした連合軍兵士7000人あまりが眠っています。墓地内に入ってみると、緑の芝生の上に数種の花々が咲き乱れ、非常にきれいな墓地であることに気づかされます。墓地の中央には、白い十字架があり、数本の花輪がかかっていました。十字架の前で手を合わせた後、個々の墓石を見てまわりました。墓石のひとつひとつには、故人の名前、生年、没年、享年と故人に対するメッセージが記されていました。こんなかんじです。Tom ***、1915-1944、(29)、「彼は、祖国に妻と娘を残し、この世を去った。彼の笑顔をいつまでも忘れない」。3つ、4つと墓参しているうちに、涙があふれてきました。もちろん、7000のお墓、全てを参拝できるはずもなく、20程のお墓を参拝した後、この墓地を後にしました。皆、20代から40代と人生の最も充実した時をここで過ごし、無念にも亡くなっていった人たち。日本人も他の国の人も、たくさんの人が亡くなりました。旅のはじめに出会ったアンソニーが言っていました-「Peace is No.1」。この言葉を、思い出しました。

 墓地を後にしてから銀行に寄り、次はJEATH戦争博物館へ行ってきました。こう書いていると、戦争マニアかなにかかと思われてしまいそうですが、なぜか、非常に考えさせられるものがあり、好んでこのようなところに行ってしまいます。前に、史跡めぐりが苦手ということも書いたような気がしますが、それらを見ても、知識が追いついて行かないせいか、あまり、考えることなく終わってしまうのです。「はーすごいなぁ。きれいだなぁ。でかいなぁ」これだけなら、テレビでも見られそうです。ただ、実物を見るとやはり違うでしょうから、アユタヤとかも行ってみたいなぁとも思うのですがね。脱線しました。JEATH戦争博物館は、Japan、England、Australia、Thailand、Hollandの頭文字を取ったものだそうで、やはり、この町の北にあるクウェー川鉄橋建設時の捕虜達の生活についてを展示した戦争博物館です。内部に入ると、「日本軍の拷問は、こんなにひどかった」、「日本軍の捕虜に対する対応は、ひどいものだった」とした連合軍側の視点での展示物が多く、日本で見ることのできる「戦争の歴史」とは、一味違います。また、館内に展示されている、当時の新聞などには、「JAP」という言葉も頻繁に出ていて、どきっとさせられます。私が行ったときには、日本人は私だけだった模様で、館内では、ちょっとした注目の的だったような気がします。皆、私を目にすると、ちょっと黙るんですから。来館しているのは、タイ人、ドイツ人が多いような感じがしました。歴史の事実を知るためにも、多くの日本人に赴いてほしいと思いました。ただし、展示物の100%全てが、真の事実だとは思いません。1%くらいは、誇張してあるところもあるんでしょう。きっと。

 さて、帰る途中で雨がひどくなりました。いわゆるスコールってやつです。食べ物屋さんの軒下で1時間くらい雨がやむのを待っていたら、お店の人が、中に入りなさいと手招きしてくれます。中に入って止むのをまちますが、まだまだ土砂降りです。時間を気にしていたら、お店の親父さんが、でっかいビニール袋を3つくらい用意してくれました。1つは貴重品をくるみ、1つは体にまきつけ、残りの1つを頭にかぶって行きなさいとのことでした。また、タイ人のやさしさに触れ、ウキウキなりながら、土砂降りの中を出発しました。

 夜は毎度のとおり、レゲエバーです。今日、BlueStarに来た日本人カップル「しゅういちさん?」&「ひろこさん」、そして「まいこちゃん」、「俺」の4人で宴会をしました。「しゅう&ひろこ」は、2週間ほどタイで休養した後、アフリカへ飛ぶそうです。なんでも、ウガンダ?で10日間にわたるダンスパーティーがあるとか。ちなみに、「しゅう」の職業はDJです。将来の夢は、日本以外の国で、2人でバーのようなお店を経営したいとのこと。「うらやましいなぁ、こんなカップル」と思いながら、楽しく酒を飲みました。

 今日は、2時くらいに就寝です。
更新地:カンチャナブリー(タイ)

昨日の日記へ 明日の日記へ

トップページへ